てのなるほうへ / HQホラー夢

序章

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【序章】



もはや、毎年恒例となっている夏の大合宿。

各校それぞれのベンチメンバーまでが参加できる特殊な合宿で、

会場は関東の山奥にあるとてつもなく大きな大合宿所。


そこを管理しているのは白鳥沢学園高校3年マネージャーの祖父なのだが、

その事実を知っている者はいたりいなかったり。


「点呼とるから集まれ~!人数多いからはぐれんなよ~!」

烏野主将である澤村の呼び声に、集まっていく烏野の部員達。


「おいおい早速どこ行くんだ日向~」

「あっす、すみませんスガさん・・・!」

強い選手達を見て興奮しっぱなしな日向を苦笑しながら引き戻す菅原。


「すっげ~~~白鳥沢もいる!!しかも東京の強豪校もごろごろ・・・!!」

「ちょっとは落ち着けボゲェ!!」

「いってえな何すんだよ影山ァ!!」


影山との言い合いはもう日常茶飯事の事で、メンバーも止めようとはせず、はぁ、とただ呆れて溜息をつくだけ。

そんな中、1人の少女が澤村の元へと走ってくる。


「澤村君、お疲れ様!」

「!あぁ、お疲れ。大変だろ?この人数まとめるの」

「まあね でも皆、話は聞いてくれるし、思ったよりは大丈夫。」

「(白鳥沢のマネージャーだ・・・!相変わらずすげえ美人!)」

「(そして大地の美人に物怖じしない落ち着きっぷり・・・男前すぎ・・・)」

近くにいた菅原と東峰は澤村を心の中で尊敬する。


「去年の通り、宿は合宿所の中の部屋を使ってくれていいから。

大浴場なんだけど、シャワーが一つ壊れてるからそれだけ注意してね。

それから・・・」

「名無しちゃんまだ~?俺もうお腹ペコペコなんだけど~~」

「待ってて覚。澤村君への説明で最後だから!」

「はぁい」

後ろからなだれ込むように抱き着いてきた天童を軽く流して澤村へと体の向きを戻す。


「ごめんね、話の続きだったね。えっと、何だっけ」

「シャワーが壊れてるってとこまでだよ今」

「あ、あはは、ごめん覚が邪魔するから・・・」

「(相変わらず距離感おかしいよなぁ白鳥沢って・・・あれで付き合ってないんだもんな・・・)

いや、いいよ。続けて」

「うん、えっと、合宿所の裏に流れてる川があるんだけど、あそこの川沿いに沿って歩くと

廃校があるの。そこにはあんまり近づかないようにね、ほら、もう古いし崩れたりしたら大変だから」

「あぁ、わかったよ。部員達には伝えておく。」

「よろしくね、詳細はこの紙に書いてあるから。一度目を通しておいて。

これは先生方に渡して。」

そう言って同じものをもう一枚澤村に渡し、じゃあまたあとでと踵を返す。


「・・・金髪美女に話しかけられて動揺しない男子高校生って今日びお前だけじゃね?」

「美女には耐性がついた正直!周りを見ろ!」

「あぁ・・・確かに・・・」

自分のチームを含め、他校のマネージャー達はカーストが圧倒的に上の女子ばかり。

澤村は烏野の部員達を率いて、荷物を置くために宿へと向かった。



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「やっとごはん~~~~!」

「いつもそれくらいちゃんと食べなくちゃダメだよ覚」

「わーかってるって!それより名無しちゃんさ、今日早速他校男子に告られてたっしょ」

「?!」

飲んでいた麦茶を吹きかけた所ギリギリで留める。

何てことを言うんだ、こんな公衆の場で。


「・・・お、お話があるって言われただけです」

「隙あらばだなほんと・・・ちゃんと見とけよ天童」

「ええっ俺のせいなの?!」

「別に何もされてないしやめてよこんなとこで・・・」

後輩もいるんだから、とむすっとすればごめんごめんと笑う覚。


「あ、やっちゃんのお姉さまじゃん!」

「・・・及川君」

「あからさまに疲れた顔しないで?!」

「こんな広い学食だもんね、会うのは仕方ないよね」

「ここあいてるならご一緒しちゃおうかな~」

「あぁそうなの、じゃあ私は邪魔になるだろうからお先に失礼するね。」

そう言って立ち上がると何でそうなるの?!と驚く声を上げる及川君と苦笑を浮かべる英太。


「そうだ、若利、6時からのミーティング忘れないでね。

主将は皆行かなくちゃいけないみたいだから・・・」

「わかった。」

お盆を持ち、そこから去って各校のマネージャーの元へ挨拶をしにいこうと考える。


「相変わらず及川にはドライだよなあの子」

「嫌われてんじゃね及川」

「違います~~~あれは愛情の裏返しで・・・」

「はいはい負け犬の遠吠え乙」

「マッキーそれはひどい辛い辛辣!!!」



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1日目 PM 8:35


「名無し、やっと見つけた」

「英太。どうしたの?」

「烏野の澤村が何か聞きたい事あるらしいんだけど・・・」

「?わかった、今から部屋まで行くね」

「・・・」


英太の怪訝そうな顔の意図が掴めず、首を傾げれば、

あのなぁ、と呆れたようにため息をつかれる。


「一応男の部屋にそうホイホイと行くもんじゃ・・・」

「寮部屋には何度も行ってるでしょ、それと何が違うの」

「俺達とは別だろ!」

「?わけわかんな・・・」


そう言いかけた瞬間、廊下の電気が不意に消える。


「わっ な、なに?!」


驚くあまり、英太に軽く抱き着いてしまったが、

本人は気にていない様子。


「停電か・・・?」


と天井を見上げながら呟く英太。


「ブレイカーかな、ちょっと見てくるよ。」

「俺もついてく。さっきの様子だと進んでいきたくはねえみたいだし。」

私の驚きようの事だろうか。

そうだったのなら、とてつもなく恥ずかしい。


私は、こほん、と咳払いをして、

「・・・ありがと、スマホ持ってる?前照らしてほしいんだけど・・・」

と返した。



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スマホで前を照らし歩いていく英太の後に続いて歩く。

数分後、たどり着いた場所は玄関の近辺。


「このへんに確か・・・あった!」


光をあてた場所には全ブレイカーを操作できる機械。

だが、よく目を凝らすも、特に変化はないようで。


「・・・おかしいな・・・」

「もう少ししたら直るかもしれねえし、様子見たらどうだ?」

「うん、そうだね、そうしよう。

じゃあとりあえず澤村君の所に・・・」


ドンッ ドンドンッ


「?!」


急に響く玄関の扉を激しく叩く音。


「だ、誰?」

「名無しさんですか?俺です、白布です。

コンビニ行ってたら鍵閉められちゃったみたいで。

開けてもらえませんか?」

「なんだ、賢二郎かぁ」


こんな時間に出歩いちゃダメでしょ、とため息をつきながら言うと

すいません、どうしても食べたいものがあって、と呟く賢二郎。


私は玄関の扉に手を伸ばす。



ピコン


「! 名無し、これ、」

「えっ?」


英太が見せてきたスマホ画面には賢二郎からのライン。


『天童さんが瀬見さんの事部屋で待ってます。

トランプやりたいってうるさいんで早く戻ってきてください。』


「じゃあ外にいるのは・・・きゃっ・・・!」

ラインを確認したのは扉を開けてしまった後。

私の腕は賢二郎ではない、何者かの白い手にガッと掴まれ玄関の外へと強い力で引かれる。


「や・・・何?!」

「んだよコイツ・・・!!」

「・・・っ離して!!」

「ん、っのやろ・・・!!」


英太が私の身体を勢い良く引き寄せ、室内へと取り戻してくれたおかげで

私は無事連れていかれずに済んだ。


「っはぁ・・・っはぁ・・・・」

「・・・はぁ・・・何、だったんだよ今の・・・」


2人して呼吸を整え、すぐに閉めた玄関の扉を見つめる。


「賢二郎じゃ、なかった、よね」



こうして、恐怖の大合宿が幕を開けた。




【序章 終】