ごめん、もう遅い

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青葉城西男子バレー部の備品庫から、

彼らの誇りと言えるユニホームが消えた。


一くんも及川君も、皆、悲しむと同時に怒りがおさまらなかったよう。

自分が、犯人にされるなんて、思いもしなかった。

一くんなら、ずっと一緒にいて、

好きだよって言い合った一くんなら、

私の思いを信じて、私を信じてくれるって。

そう、思ったのに。


「日和、往生際が悪いぞ。」


怒鳴るわけでもない、声を荒げるわけでもない。

いつものように、ゆっくりと、低い声で。

上から見下ろす一くんは一くんじゃないみたいだった。


写真という絶対的証拠を前に、いくらやってないと、

この時間は別なところにいたって主張しても、信じてくれなかった。


及川くんも、松川くんも、花巻くんも、みんな私を信じてくれなかった。


「ほんっと、やってくれたよねぇ...。」

「だから、違うってば!なんで!?」


「お前がこんな最低なやつだって気づけてよかったよ。」


最後に一くんはそう残して、3人を連れてその場を去ってしまった。

私の心をズタズタにして。


この話、どれくらいしたら校内に広まるんだろ。

男子バレー部は顔面偏差値が高く、この学校では有名人。

そんな彼らと一生徒の私、どっちを信じるかなんて目に見えてる。


あーあ、女子の襲撃ってどんな感じなんだろうな。

痛いのはやだな。

結局、信じてもらえなかった。

私への一くんの信頼度なんてそんなもんだったんだぁ。


壁にもたれかかって体育座り。

するとカツン、という音が響いた。

チラリとみると、気だるげな顔した後輩が一人。


「国見くん、」

「どうも。伊藤先輩。」


この子も私を責めに来たのだろうか。

そりゃそうか、レギュラーだもんね。


彼は何を言うわけでもなく、暫く階段の数段上から私を見下ろしていた。


「何?言いたいことがあるならどうぞ。」


もう抵抗する気も失せた。

どうせ信じてもらえない。


「俺は先輩じゃないって知ってますけどね。」

「は?」


1コンマ空けてそういうと、

国見くんはリズムよく階段を下りてくると、私の前にしゃがんだ。


「だから、俺は先輩があんな無駄なことするなんて思ってませんから。」

「...なにを根拠に。」

「なにも。ただ、先輩は俺たちの事大切にしてくれてるのは、

 試合のたびに感じてたんで。」


ぐしゃりと髪をかき乱される。


「...国見くんの手、あったかいね。」

「そうですか。」





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