ご注文はお兄ちゃんですか?

保登ラテ@ごち兄ゆっくり執筆中
@ReD_AnD_BattleR

一日目:お兄ちゃん襲来

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ラテはしばらく地図やパンフレットを見たり、スマホをいじったりしていたが、しばらくすると両方から目を離し、エスプレッソのおかわりを注文した。

そしてそれをゆっくりと飲み干すと、ふうっ・・・と息を吐いた。

「ラテ・・・随分と大人になったね〜」

モカが唐突に、久々に帰省した子供を迎える母親のような口調で呟く。

「それ、昨日母さんにも言われた。」

表情を一切変えず、ため息とともに応えるラテ。

案の定、同じ言葉を貰っていたようだ。

「あれ?お母さんに会ったの?」

ココアが疑問を挙げる。

確かに、ラテの住む都会から木組みの街までの交通経路に、ココアの実家は含まれていない。

いや、寄ろうと思えば寄っていけるのかもしれないが、少し遠回りになるのでは・・・

「ああ。来るとき実家にも顔出して来たんだ。うち通った方が、交通費が安く済むんでな。」

しかしラテは意外なことを口にした。

「え、そうなの?」

ココアが首を傾げて訊く。交通費は普通は距離に比例するはずだ。何故遠回りした方が安く済むのだろうか。

「ああ、立地とか平均所得とか・・・色々あるみたいでな。」

ラテが簡潔に説明する。

これ以上詳しい説明を聞こうとすると難しい内容になりそうだと察したココアは

「そ、そうなんだ。・・・お母さんどうだった?」

と母の方に話題を移した。

「ん、あぁ、全然変わってなくて驚いたな。本当に昔のままだった。母さんも、家も、お客さんも、パンの味も。」

ラテはぼんやりと窓の外を見て答える。

都会に住む前の色々なことを思い出し、感慨に浸っているのだろうか。

「そっか~」

ココアも昔の母を思い出し、思い出に浸っていた。

「・・・あ、そうだ。ココア、お前そろそろ帰省した方がいいんじゃないか?母さんも顔が見たいって言ってたぞ。」

しばらく感慨に浸った後ラテは、母の言っていたことを思い出してそう言った。

「たしかに・・・」

そういえば、ココアはこの街に来て一年以上経っているが、一度も実家に顔を出していない。

「そうね、こっちが楽しいのも分かるけど、お母さん寂しがってたよ?」

モカがすかさず話に割り込んで来る。いつも母と一緒に居るモカには、少なからず気持ちが伝わっていたのだろう。

「本当!?そろそろ一回くらい帰らなくちゃなぁ・・・」

とココアが色々と考え出したところで


♪〜


ラテの携帯が鳴った。

「あ・・・ちょっと待っててくれ。」

ラテはそう言うと携帯を取り出し、耳に当てる。

「もしもし。は?・・・はぁ・・・はいはい分かった分かった。」

ラデは誰かと電話をしているようだ。

「あー、分かったって。一旦切るぞ、すぐかけ直すからな。」

そして電話を切ると、席を立った。

そのままレジの方へ行き、チノにエスプレッソ二杯分ぴったりの金額を渡すと

「レオが迷った、探してくる。」

それだけ言い残して、足早に店を出て行ってしまった。

「「あっ、それなら私が!・・・・・・」」

ココアとモカが引き留めようとするが、鈴の音を鳴らして扉が閉じる。

「「「「・・・・・・・・・」」」」

取り残されたような気分になった四人は、しばらくドアの方をぼんやりと見ていた。


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