ログレス二次創作コラボストーリー「蹴り開けられた次元の扉」

RAY/kaede
@growler_ray

後編

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「へ……きゃあっ!」

「ノワールっ!」


その直後、先程よりも遥かに早いスピードで放たれた触手の一撃が、ノワールを大きくはじき飛ばして木に叩きつけた。おまけにその後もボツリヌスは威圧するかのように、自身の周囲で触手を目にも止まらぬ速さで打ち付け続けている。


「早い……」

「体も赤くなってないのに早くなるなんてずるいよー!」


改めて見たボツリヌスからは、とてつもないプレッシャーが発されていた。当然ながら今までハンター協会が観測してきたどのボツリヌスにも、こんな現象など見られなかった。


「あなた、あのモンスターに何をしましたの!?」

「実はあのスライヌを呼び出す際、同時に謎の物体が落ちてな、強大な魔力を感じたので奴に取り込ませてみたのだ。そうしたらこの通り、従来をはるかに超える力を手に入れたというわけだ」

「見たとこ、取り込ませたのはウイルスに汚染された何かってところね」

「素晴らしい、素晴らしいぞ。貴様らの世界には有用なものが満ち満ちているではないか!小癪なハンター共を潰すには最高の物だ!」

「私達の世界を物呼ばわりなんて……覚悟は出来てるんでしょうね!」

「その言葉はそっくり返すとしよう、殺れ」

「ゴアァアアァアア!!!」


ひときわ大きな雄叫びをあげて、ボツリヌスが攻撃行動に移る。

 そこからは酷いものだった。対応しようとしてもそれよりも早く多方向からの攻撃が飛んでくるので、ガードのしようがない。


「がっ……」


避けようとしても、その回避行動すら超える速度で攻撃を与えて手痛いダメージをおってしまう。形成が一気に逆転し、みるみるうちに戦況不利に陥ってしまった。


「つ、強……い」


もはや蹂躙と言っても差し支えない、攻撃こそたまに当たるのだが、どう見ても有効打ではなく、かすり傷同等の扱いとなってしまう。


「ハハハ……ハーッハッハッハ!!」


土埃が収まったあと、立っているのは仮面の男とボツリヌスだけだった。5人は満身創痍で、呻き声を上げながら地に倒れている。

 もはやこれまで、この5人が敗れるようであれば、向こうで戦っている5人での勝機は薄いだろう。そう思いながら仮面の男が邪悪な笑みを浮かべると、1人がその倒れた中から立ち上がった。


「……ん?」


RAYだ。大剣を地面に突き刺し、どうにか立ち上がっている。

 そして、それに釣られるようにしてネプテューヌ達残りの4人も立ち上がった。


「しぶとい奴らだな、大人しく倒れていればよかったものを」

「生憎と、こんな所でゲームオーバーになんてなれないからね……!」

「ええ、あなたも言ったでしょう。私達を待ってる人達がいる以上、負けるわけには行かないわ」


悲しいことに、この状況では負け惜しみの強がりにしか見えない。仮面の男は余裕な態度を一切崩さず笑い混じりに話す。


「それで?満身創痍の貴様らに何が出来るというのだ?」

「舐めてもらっては、困りますわね……」

「まだ私達だって……本気じゃない」

「ククク、みっともない強がりだな」


それでも、ネプテューヌ達の表情には恐怖という雲は一切影を落としていなかった。その言葉が真実であると宣言するかのように。


「その様子だと、みんなやる事は決まってるみたいだね!」

「ええ!」

「もちろんですわ」

「当然」


湧き上がる闘争心、その根底に未知のものを感じた仮面の男は、トドメを刺そうとボツリヌスに命令する。


「やれ!」


ボツリヌスの鋭い触手がネプテューヌの心臓めがけて一直線に進んでいく。ネプテューヌはそれを間一髪で回避し、それを切り飛ばすと声高らかに叫んだ。


「……刮目せよっっ!!」


その声の直後、RAYを除く4人が光に包まれる。


「なんだ……これは!?」


仮面の男もボツリヌスも、RAYですらも驚きで動けない。

やがて眩しい光が消えていくと、4人が立っていた場所には姿かたちのまるで違う4人の女性が立っていた。

ネプテューヌがいた場所には、長い三つ編みを2つ垂らしたネプテューヌよりも明らかにスタイルのいい紫髪の女性。

ノワールの場所には、長い白髪の女性。

ベールは緑髪でポニーテールの女性

ブランの所には短髪青髪の女性。


もはや別人、その言葉があまりにも似合う。そして同時にRAYは直感で、その4人は外見は違えど中身は同じだということを感じ取っていた。


「ノワール、ベール、ブラン……反撃開始よ!女神の力、見せてやりましょう!」


紫髪の女性……恐らくネプテューヌであろう女性が叫ぶ。呼び方は変わっていないあたり、やはり大元は同じなのであろう。


「やれ!今度こそ殺せ!」


ボツリヌスが触手を飛ばす、4人それぞれの正中線を正確に捉えて打ち出された触手は、変わらず凄まじい速度で迫っていく。


「なにこれ?遅すぎるわね」


ノワールは手に持っている武器で、ハエをたたき落とすような軽い動作でその触手を迎撃した。よく見ると武器も変わっているようだ、大まかな形状こそ同じだが様々なところが変化している。


「何ぃ……!?」


続けざまに第2撃が繰り出されるが、4人全員がそれを軽く落として突撃する。

 至近距離まで接近し、無数の乱撃を浴びせていく。通らないなら通るまで殴れと言わんばかりの速度でだ。しかも凄まじいのがその間も絶え間なく繰り出されている触手の攻撃を、いとも簡単にかわし落としていることだ。先程とは話にならない、反射に身体能力、全てにおいて前の姿を圧倒的に上回っている。


「イージーのもっと下と言ったところですわね。それで戦ってるつもりですの?」


女神、とネプテューヌは言った。それは真実で、彼女達の世界では、女神という存在はこの世界とは違うものなのだろう。そう思う以外の選択肢を奪われる程の猛攻、戦闘。禁忌種にさえ匹敵するほどの強さを持ったはずのボツリヌスすら相手にならないといったふうな戦闘を繰り広げている。


「オラオラオラどうしたどうした!さっきまでイキってたくせによぉ!!」


それと、何故かブランの口調は3人と違って半端ではない変貌ぶりを見せていた。確かにネプテューヌは声のトーンも落ちていて性格も変わっているようだったが、ブランの変わりっぷりはそれよりも激しいのではないのだろうか。

 RAYは何も出来なかった。いや、何かをしてはいけないと思っていた。これが女神の戦いならば、手を出すべきではない、それをしっかりと目に焼き付けておくのが、今の自分にできることだ、と言い聞かせていた。

 事実、誰が見たって手助けが必要には見えない。むしろ手助けするべきはボツリヌスの方なんではないかと思えるほどにネプテューヌ、女神達が圧倒している。


「ノワール、トドメは譲るわ」

「あら、その姿のあなたが譲るなんて珍しいわね」

「そうね、もっと美味しい役を見つけたものだから」

「ふーん、そう。じゃあ遠慮なく頂いていくわね」


ノワールがボツリヌスの正面に立った。それを狙いすかさずボツリヌスが触手を伸ばすが、その全ては両脇に立っていたブランとベールによって阻まれ、落とされる。

完全に無防備になったボツリヌスを視線の中心に捉えたノワールは叫ぶ。


「ラステイションの女神が剣技、見せてあげるわ!」


理屈は不明だが浮かび上がった、そして剣を構え、ボツリヌスの体を切り抜ける。

それで終わりではない、瞬時に小さな円を描くように移動しながら方向を変え、別方向から切りつける、それを何度となく繰り返す。

移動と斬撃、その双方が恐ろしく滑らかに噛み合い、流麗な連撃を続けていく。その斬撃の数はきっかり11撃、このように見るものが美しいと思ってしまう攻撃など、そう多くあるものでは無い。

再度の斬撃、今度はさっきとは違い方向を正反対に転換している。それだけではなく、剣には虹色の輝きが纏われていた。さらに大きく飛び上がる切り上げを行い、空へと上った。


「……逝きなさい」


剣をボツリヌスに向けて振り下ろすと、虹色の輝きだけが剣の形を保ったままボツリヌスに突き刺さった。

ノワールは着地、軽く首を曲げて指を鳴らすと、背後で無数の斬撃音が鳴り響き、ボツリヌスの体はみじん切りにされてしまった


「馬鹿な……あのボツリヌスが……」

「なるほど、それがルルハん達の言っていた板ね」

「!?」


その光景に驚きの色を隠せない仮面の男、その背後にはいつの間にか姿を消していたネプテューヌがいた。


「ふんっ!」


仮面の男が板を持っている方の手を、思いきり払う。当然ながら衝撃で板は弾かれてしまった。


「Nギアそっくり……これで私達を」

「やっ、やめろ!」

「嫌よ」


躊躇なくネプテューヌはその板を破壊する。すると頭上に開かれていた穴が、落雷にも似た大きな音を立てて消え去った。


「さて、あなたに恨みはないのだけれどRAY達もあなたを追っているみたいだし、大人しくしてもらうわよ」

「おのれ……貴様!」


そうとだけ言い残すと仮面の男は転移魔法を使い、たちまちのうちに姿を消した。


「……っと」


ネプテューヌの姿が元に戻る、それに続いてほかの3人の姿も戻っていった。


「どう?びっくりした?あれが私の第2の姿なんだよ」

「にしても、やけっぱちでやったけど本当に女神化できるとは思わなかったわ」

「何言ってるのノワール、主人公サイドには補正が働くものだよ!」

「今は私達がゲストよね!?」


死闘を終えたばかりで疲労もあるはずなのに、それを全く感じさせないほどのテンションが高くテンポのいい会話が場の空気を和らげる。ネプテューヌには潜在的にこんな力があるのだろうか。


「おーい!大丈夫ですかー!」

「あ、ジョーにルルハん!やっほー!」

「ルルハんって……それより、大丈夫でしたか?」

「私はそちらの方が心配ですわ」

「アタシ達は全然大丈夫だよ」

「ああ、追い詰めたのだが後一歩のところで消滅してしまったがな」


ルルハ達が追いついた、キングスライヌはこちらの板破壊と同時に消滅してしまったらしい。


「それで、帰れ……」

「……ないみたいね」


読みは外れたのか、全くネプテューヌ達に帰れる兆候が現れない、ニーアの心に僅かな罪悪感が芽生える。


「その……ごめんなさ……うわっ!?」


ニーアが謝ろうとしたその時、またもや閃光が周囲を包んだ。


「光?」


雲に覆われていたはずの現在地に光がさした、晴れたのかと思いノワールが空を見上げると、驚いたことにそこに広がっていたのは青い光を放つ空の穴だった。同時に、ネプテューヌ達の体が発光しだす。


「あれ!?私たちの体光ってる!?もしかしてこれは霊基が消滅的なサムシングだったり……」

「これは……帰還の兆候と見てよろしいのでしょうか」

「はい、恐らくは」


輝きはすぐに強くなり、ノワール、ブラン、ベールは空に向けて吸いこまれていってしまう。


「あ、みなさん!お元気でー!」


ジョーが焦って大声で送り出す。


「ええ、そっちもね」

「みなさん、楽しかったですわ」

「……じゃあね」


やがて穴に飲み込まれ、消えてしまった。ネプテューヌは発光こそしているが、あの3人よりも少し遅く来た分、まだ少しだけ猶予があるということだろうか。


「あーあ、もうお別れかー。もう少し楽しみたかったんだけどなー」


心から残念そうに、ネプテューヌはボヤく。


「まあでも、いつかは帰らなきゃいけないしね。むしろいきなりじゃない分キリがいいかも?」


ハンター達とネプテューヌ達が共にいられたのは、本当にごくわずかな時間でしかない。だがわずかな時間でさえも、いざ別れるとなると急に名残惜しくなるというものだ。


「ほら、君もそんなしょんぼりした顔しないで、笑顔笑顔!」


ネプテューヌがRAYの口角を人差し指で上げる。変なのと思いながらも、その行動に思わず笑顔になってしまった。

 ネプテューヌの体が浮かび上がる、最後の挨拶をRAYに伝えようとする。


「そうだ、いつか、またここに来ることがあったらさ。その時は’’こっちのギョウ界世界’’に来て欲しいな」


「すごい楽しいんだよ!4つの国があって、それぞれがそれぞれ進化していっててさ」


「君の名前も、きっと忘れないと思う。短い時間だったけど、楽しかったから」


次第に姿が遠ざかっていく。


「ま、絶対また来るからねー!来れたら嫌だって言っても無理やり引きずっていっちゃうんだから!それじゃあばいばーい!」


穴に吸い込まれながら、大きな声が辺りに響いた。


「ふう、最後まで明るい人だったわね」

「でも、なんていうか……いい人でしたね」

「……ふふ、そうね」


ネプテューヌが消えてから程なくして、その穴も消滅した。

 今日の事を覚えている者は、この世界にはルルハ達5人と仮面の男しかいない。誰かにこのことを話しても、突拍子もない作り話だと笑われるだろう。それでも5人は忘れない、一時でも共に戦った者として、あの4人の名前は心に刻みつけられることだろう。




ある日、女神像の滝近辺をRAYが歩いていると、目の前に叫び声と共に女性が頭から地面に突っ込んだ。

戸惑いながらもこうしちゃいられないと引っこ抜く、すると、聞き覚えのある声と紫色の髪と顔が姿を現した。


「やっほー、元気してたー?」

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