君に胡蝶蘭を ~誕生日~

茉夢@お題箱募集中
@mamu_au

しあわせ

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明日はバレンタインデー、つまり私の誕生日だ。龍之介さんとお付き合いをしてから初めての誕生日。彼に誕生日を伝えた事はないけど、大和と一緒だからバレてそうだな、と思いつつも私は彼へのチョコを作る。



好きな人へチョコを作るだなんて、過去の自分は思いもしないだろうなと思いチョコを溶かす。実際何を作ればいいのかわからずチョコレシピを探しながら洋酒入生チョコというレシピをみてこれだと思った。



作ってみると簡単で、あっという間に完成した。味見もしたら美味しかったから、あとはラッピングをしたら完成だ。



ソファーで一息をつくと疲れが溜まっていたのか眠気が襲ってくる。洗い物しなくちゃと思いつつもそのまま寝てしまった。





水の流れる音がする、その音はさらに眠気が誘ってきて意識が沈みそうになる。沈みそうになった瞬間に気づく、誰かが洗い物をしていると。



勢いよく起き上がると毛布がかけられていて、シンクの方を見ると彼がいた。向こうも私に気づいたようで振り返る。




「あ、起きた?」




いつも私に向けてくれる優しい微笑みは最初に会った頃と全く変わらない。




「明日の夜まで仕事が入ってたんじゃ」



「トラブルがあって今日は早く終わったんだ」




そう言いながら洗い物が終わったのかこっちにやってくる。




「部屋の電気ついてるしラビチャしたんだけど既読つかなかったから不安になっちゃって」



「え、あ、ごめんなさい」



「謝らなくていいよ、それにチョコ作ってくれたんでしょ?」




何故それを、と口に出そうになったけど彼はさっきまで洗い物をしてくれたのだからバレて当たり前だ。




「お誕生日おめでとう」



「へ?」



「ちょうど0時になったから、桜ちゃんに一番に伝えたかったんだ」



「まさかその為に来たんですか?」



「そうだよ」




今でも真っ直ぐ言われる言葉は照れてしまう。顔が赤くなって、つい下を向いてしまう。




「あ、ありがとうございます」



「どういたしまして」




このやり取りにむず痒くなってしまって逃げるかのようにソファーから立ち上がり冷蔵庫に向かう。



冷蔵庫にはラッピングに包まれた生チョコを取り出してまたリビングへ戻る。




「あのこれ、バレンタインのチョコ、です」




最後の方は声が小さくなったけど、彼なら伝わっているだろう。




「ありがとう」




彼は笑って受け取ってくれた。そして思い出したかのように鞄に手を突っ込む。何かを取り出し私の方へ振り向く。




「俺からも誕生日プレゼント」




彼の手には綺麗にラッピングを施されたプレゼントがありどこかのブランドのものであるのが窺える。



中身を開けると時計が入っていた。シンプルでありながらダイヤルには紫色のストーンが埋められていた。これなら仕事の時でもつけていられる、そういう気遣いも見えてくる。




「桜ちゃんに似合うなって思ったから気にせずに普段から使ってほしいな」




普段では使えないな、飾っておこうかなと思っていた瞬間に彼からの言葉。私の考えてる事はもう彼にとってはお見通しのようで恥ずかしくなる。




「龍之介さん、ありがとう」




普段あまり呼ばない彼の名前を呼ぶ。彼の顔を見るとどんどん顔が赤くなっていく。




「照れてるんですか?」



「桜ちゃんが俺の名前を呼ぶから」




彼は顔をそらす。そんな彼が愛おしくてからかいたくなってしまう。




「龍之介さんこっち向いてくださいよ」



「むっ無理だよ」



「龍之介さんの顔が見たっ...!」




気づいたら彼の腕の中にいた。彼をからかって近づいたからか、少しやりすぎたなと思い彼から離れようとするけど、力が緩まず離れられない。




「今日はかっこいい俺を見せたかったのに」




龍之介さんが呟いた言葉につい微笑んでしまう。




「あ、桜ちゃん笑ってるでしょ」



「龍之介さんはいつもかっこいいですよ。明日も仕事があるのに私のところにやってきてくれて嬉しかったです。こんなに幸せな誕生日は久しぶりです。ほんとうにありがとうございます」




私を抱いていた腕の力がゆるみ離される。頬には彼の手がやってきて彼の顔を向いてしまう。普段であればお互いに恥ずかしがってしまうのに、今はならない。




「桜ちゃんお誕生日おめでとう」



「ありがとうございます」




こんなにも心が満たされているのも彼のおかげだ、なんて言ったらまた照れるかなと思いつつ心にしまい彼の胸の中に飛び込む。




「私、今とても幸せです」