IFの世界で

予告編

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――古びた帽子は歌い、そして語る。



『一言でいえば、変わったお嬢さんだ。

好奇心旺盛。やや先走る傾向はあるが、問題の対処方法も豊富だ。

困難を乗り越えようとする勇気がある。』



俺は、オウカ。

日本人といいたいところだけど、

日本で生まれ、日本で一度死んだ。


その後、とある方法で肉体を得て、

“鋼の錬金術師”の世界にトリップしたんだ。


東方司令部に所属する事務員となり、日々奮闘していた…―――-。



『頭がいい。自分の身の回りにある情報と選択、立ち回りがうまい。

処世術にすぐれ、ずる賢い。

だが、肝心なところで抜けているな。』



それで、こっちが俺の上司。

焔の錬金術師…ロイ・マスタングだ。


彼の熱心な指導おかげもあって、

俺は国家錬金術師の資格を取ることができた。


結果“黙示”のふたつ名をもらい、

軍の狗となる道を選んだ。


もともと居候先として世話になってきた彼とは、

その過程でひと悶着あったものの、

今は友達以上恋人未満、曖昧に濁しながらも良好な関係を築けていると思う。


そんな日々が一変したのは…休日のある日のこと。


旅先で俺たちは不思議な石を目にして、

たまたま異世界への入り口へと迷い込んでしまった。



「魔法界…。

化学ではなく、魔法が支配する世界だ。」



ホグワーツ魔法学校。

まさか、アメストリス以外の別世界に来てしまうだなんて…。


――はじめは疑いの目さえ向けられた。



『そんな馬鹿な話を信じられると?』


『セブルス。

異世界から来るケースは、前例がないわけではなかろう。』



果たして、彼らが言う前例とは何か。

俺たちは元の世界に還ることができるのか…その問いにはまだ答えはない。


それでも魔法界での暮らしは、知らないことばかり。

刺激的で、面白いし。新しい友人にも出会うことができた。



『自己紹介がまだだったわね。


私は彼の担当している魔法薬学の助教授で、

月のまじないを一部の生徒に教えている教師よ。』



あ、この人はミリアさん。

とっても美人で、朗らか笑う姿が印象的。


普段は白衣とメガネを身につけてて、

魔女というより女医さんのような格好をしている。

それでいて、杖さばきは鮮やか。

かっこよくて憧れのおねえさんなのだ。



そして彼女のいつも隣にいるのが…

恋人で、魔法薬学教授のセブルス・スネイプさん。



『彼も同じく教師で、私の上司。

スリザリン寮の監守でもあるわね。』



スネイプさんはやや無口な人って印象。

でもミリアさんが言葉少ないスネイプさんのことを説明してくれたり、

気持ちを代弁してくれたりする…。


ふたりの性格は、真反対のように見えるけど、いいコンビなんだ。


そんな魔法界で過ごすうちに、

少しずつ、今までは隠されてきた真実が解き明かされる…。



『別の肉体に、魂を定着させたというわけかね?』



肉体と精神、感情と思考…。


ふたつの異なる世界は、科学と魔法で両極に分かれていても、

同じ理論・同じ理の中で動いていた。



『…セブルス、どう思う?』


『何がだ?』



ミリアは、セブルスに問いかけた。

感じた小さな違和感は、後に大きな渦となって、周囲を巻き込む。



『まるで、分霊箱と同じような状態と考えられない?』



『定着という意味に関しては――


…結論だけ言えば、そうなる。』



そして、物語は思わぬ方向性に舵をきることになるんだ。



―ー「き、みの…名前は何?と…。」



俺は手にしてしまった。


失われたはずの記憶、

形をなくしたはずの…とある分霊箱を。


その瞬間、紙にインクがにじんで文字が浮かび上がった。



――”Tom Marvolo Riddle…”



引き寄せたかのように、

異なる世界の運命が歯車のように、繋がり始める。




『一体!何が起きているっ!?』


『状況は、一刻を争う状況よ。』



ロイは声を荒立て、ミリアは杖を振った。



タイムリミットは刻一刻とせまり、物語は佳境を迎えていく。




『我輩の手には負えん。月のまじないなら救えるか?』


『…方法を探しましょう。』


ムーン家に伝わる月のまじないとは何か。

月のまじないが、鍵を握っている。



『君は自分のことを知らなさ過ぎる。


その身に、どれだけの試験材料があると思う?


…僕だったらその肉体を解体して、研究したいくらいだよ。』



「リドル、その冗談は笑えない。」



今こそ、魔法と錬金術はともに手を組み、

新しい境地へと階段をすすめる時代なのかもしれない…。



『私がわかるか…オウカ。』



真実はふたつの物語の終幕へとたどり着く。



「帰ろう。アメストリスへ…。」




―――if もしもの世界には、

今までとはまったく違う見方が広がっているかもしれない。



『世界はひとつじゃない、多重世界なのよ。』



ミリアは本当の意味でそれを理解するだろう。



祖母がのこした贈り物は、

確かにこの魔法界…いや世界そのものに包括されているのだ、と。



『まだやるべきことはたくさんある…。』



『ええ、私たちは私たちの世界で、

生きるためにあがき続けるだけよ。』




どうか、この物語が、

共に歩むものたちの餞となることを、心から願おう…。




ーー鋼錬と魔法のクロスオーバー


もしもこんな世界があったなら…

二つの世界が重なり合ったら、どんな奇跡が起きるだろう。



〈IFの世界で もしもの物語〉…開幕。