ハッピーバレンタインデー -想いよ届け-

ユリちご🍓絵描き
@yuritigo_0702

私が好きな人は……

_2月初旬、世間ではバレンタインデーが近づいているようで、

同級生の女子達はキャピキャピと14日当日に向けて気合が入っていた。


わたし稚児野ゆりは元気いっぱいの高校1年生、ピチピチの16歳なのです。

わたしも立派な乙女!恋にはもちろん興味津々なのです。

「はぁ……。」

机に膝をついて雪がちらついている外を眺めながらひとつ息を吹く。

私にも、好きな人がいる……でも、



「あの先輩が好き……。」「いつも一緒の幼馴染が好き。」「小生意気な後輩が好き、」


というわけではない……。

だって私が好きなのは……



「ねぇねぇゆり!」

彼女は一ノ瀬美香、私が高校に入ってから1番のおともだち。

美香ちゃんはピョンピョンと飛び跳ねながらこちらに来た。

「ん?どうしたの美香ちゃん、そんなテンション上がっちゃって!」

ゆりはクスリと笑う。

「ゆりは誰かにチョコ、あげるの!?」

「へぇっ!?」

キラキラと目を光らせゆりの顔を覗き込む美香。

そのキラキラとした瞳はいかにも好奇心旺盛、ともだちがバレンタインデーにチョコを

誰にあげるか気になっているようだ。

ゆりは思わず驚いた。

「誰々!?」

グイグイと迫ってくる美香ちゃん、そんな美香ちゃんは迫力がありまくりです……。

「っ……べ、別に……特に……」

美香から視線をずらしながらゴニョゴニョと呟くゆり。


っ言えない……いくら1番仲がいい友達だからって、

あの人が好きだなんてこと……。


「はっはぁん……その様子だと、いるなぁ?」

ニマニマとこっちを見てくる美香ちゃん。

「っ何でもないよ!本命的な人、私いないから……みんなにチョコ、

どんなの作ろうかなって……」

みんなにチョコを作ろうと思っていたのはホント。なのでそれらしいことを言う。

「ふぅん……なーんか怪し!

でもまぁいっか!当日のお楽しみということで。」

まだニヤニヤしている美香ちゃん……ちょっと怖いです……。


美香ちゃんに攻められている中、朝のHRを告げるチャイムが校舎内に鳴り響いた。

「あ!もう予鈴のチャイムじゃん。じゃあまた後でね!」

「うん、また後で。」

美香ちゃんは小走りで自分の席に戻っていった。

そして予鈴のチャイムが鳴り止んでほぼ同時、担任の先生が入ってくる……。


「ほら、席に着きない。ホームルームを始めるぞ。」

彼の名前は香月満先生。まだ26歳と学校ではまだ若い先生……。

180cmと長身で濃艶な黒髪、知的と思わせる鋭い瞳とキラリと光るメガネに

ちょっと近寄りがたいクールなオーラを放っている……。


「香月先生……やっぱりかっこいいな……。」

ゆりはぼんやりと頰をほんのり桃色に染めながら満を見つめていた。





そう、私が好きなのは……












「出席確認をする。相谷玲、」

出席簿を広げ生徒の点呼を取っていく満。

「はーい!」







香月満先生……










担任の先生が、好きなんです……。