好きな人の好きな奴

あずき
@azuki_3298

ずっと初恋

この小説は夢小説 (名前変換ができる小説) です。
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「えー!優どうしたん!?」

「めっちゃかわいい!イメチェン?」



朝練を終えて教室へ向かえば、騒がしい女子の声が廊下まで聞こえてきた。



「おはようさん。どうしたん……」



どうしたんや、なんて俺の声は驚きのあまり何処かへ消えてしまった。



「あ!治くん!みてみて!」

「優髪切ったんやて!似合っとるよな!?」



優と仲のいい女子が俺に尋ねる。



「あ、ああ…」



俺の口からは曖昧な答えがこぼれ落ちる。


腰まであった長い髪は、優の白い首が露わになるほど短く切りそろえられていた。


くるりとカールしたふわふわ毛先が、髪が長かった頃の面影を残している。



「似合っとるやん」



やっとの事で絞り出したのは、そんなありきたりな言葉だった。



「おいサム!数学の教科書貸してくれ!」



ガラリと教室の扉を開けて、自分とそっくりな顔が入ってきた。



「……あれ?優!?」



侑はすぐに俺の隣に視線を移し、すこし考えるように眉間に皺を寄せてから目をぱちりと見開いた。



ズカズカと教室に入ってきた侑は短くなった優の髪に触れる。



「髪切ったんか!誰かわからんかったわ!」



そして続けてこう言った。



「よお似合っとるやんけ!」



途端に優は頰を紅く染め、へにゃりと笑った。



"似合ってる"



向けた言葉は同じはずなのに、優の反応は俺の時と明らかに違っていた。



恥ずかしそうに短くなった髪をいじりながら笑う優は恋する女の子だった。



侑がショートヘアが好きと言ったのは一週間ほど前。


突然切られた長いかみ。

紅く染められたほっぺた。

侑に向けられた柔らかい笑顔。



そのすべてが、侑が好きだと叫んでいた。





そして俺のこの胸を締め付ける感情の正体も顔を現す。



ああ、おれは優のことが好きなのか。



そんな優は___、





俺は自分の恋は自覚してすぐ、儚く散ったのだった。







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