好きな人の好きな奴

あずき
@azuki_3298

ずっと初恋

この小説は夢小説 (名前変換ができる小説) です。
キャラベルに登録してログインすると、登場人物の名前をお好きな名前に変更できます。



「あつむくん」



小学生になってから、優はよく俺たちの家に遊びに来ていた。


優の母親の帰りが遅い日は俺らと夕飯を共にし、俺たちの親が遅いときは優の家でご飯をご馳走になった。


そんな俺たちの関係を後に両家の親達は"おさななじみ"と言い表すのだが、それはまた別の話。



「ちゃうよ!おれが"おさむ"でこっちが"あつむ"!」



侑はニヤニヤと笑って俺の方を見た。


一卵性の俺たちは間違えられることが多かった。だから侑は俺に、俺は侑になりすましては人を騙して楽しんでいた。


だいたいの人は「そうだったの、ごめんね」と申し訳なさそうに去っていく。


その後ろ姿を見送って、俺たちが顔を見合わせて笑うのがいつものパターン。



しかし優はこてんと頭を傾げて、こう言い切った。



「ちがくないよ!」



にこにこと笑って優は続ける。



「こっちが"あつむくん"で、こっちが"おさむくん"だよ!」



こっちと言って後に俺を指差した優のほっぺたは相変わらず紅かった。


なんの迷いもなく放たれたそれは俺たちを驚かせるには十分で、侑は身を乗り出す。


「なんでわかったん!?おれらそっくりやろ!?」



顔を近づけられた優は侑とは反対に身を引く。


俺は侑の服を引っ張って優から引き離す。



「近いわ!」

「なにするんや治!」



ギャンギャンうるさい侑に蹴りを入れれば、侑は俺の顔を掴んだ。


そんな俺たちをクスクスと笑って優はまたその小さい口を開く。



「だってあつむくんはあつむくんで、おさむくんはおさむくんでしょ!」



嫌味のないその言葉はまるでなにかの魔法のようにキラキラと輝いて俺の胸へと落ちてくる。


侑は侑で、俺は俺。


その言葉がなんだか嬉しくて、なぜだか誇らしかった。


それはきっと侑も一緒で、幼い俺たちは二人して優の小さい体に抱きついたのだった。





2 / 7