好きな人の好きな奴

おもち(元あずき)
@azuki_3298

さよなら初恋

この小説は夢小説 (名前変換ができる小説) です。
キャラベルに登録してログインすると、登場人物の名前をお好きな名前に変更できます。

初恋はいつ?



そんな質問に私は答えられずにいた。



「お、覚えてない」


「ええー?そんなわけないやろー」



友人は私の曖昧な答えに口を尖らせる。



「優はさ、やっぱりあの幼馴染のどっちかなんじゃないの?」



友人が言う”あの幼馴染”とはこの稲荷崎高校でそれはそれは目立つ双子のことである。

バレーボール部に所属しているその双子はレギュラーとして試合に出ては活躍し、双子だからこそできる見事なコンビプレーを披露している、らしい。

またそれだけでなく整った容姿がそっくりそのまま2人並んでいれば嫌でも人の目を引く。群がる女子は減ることを知らず、むしろ増えるばかり。その一方で恋心を抱き、涙を流す女子も後を絶たない、らしい。


らしいというのは、これらはすべてバレー部の試合を見に行ったり、どこからか情報を拾ってくる友人から聞いた話である。


私からすれば幼い頃から隣にいるのだからただの幼馴染だ。



「小さい頃から一緒にいるからなあ、そういう気持ちはないよ」



そう言い切れればよかった。

恋心なんか持ち合わせていないとはっきりと言うことができたのならどれだけよかっただろうか。



「なに?なんの話しとんの?」



ひょっこりと現れた明るい髪の男こそ、今しがた話題に上がっていた双子の片割れである。



「侑くん!」


「今ねえ、優の初恋について話してたんや」



キラキラと目を輝かせる友人にバレないように小さくため息をつけば金髪の幼馴染はぐいっと顔を寄せてきた。



「はあ?初恋!?いつの話や!!」



その顔の近さに驚いて私は思わずその頬を叩いた。

それはもう条件反射のようなものだった。



「いったあ!なにするん!」



私に叩かれた右側の……、いや左か。

左側の頬を手で押さえて大げさに痛がる。



「そんな痛くないでしょ」


「痛いわ!お前自分がどんだけゴリラかわかっとんのか?」


「誰がゴリラだ」


「っとにこんなゴリラが初恋済ましとるなんて信じられへんわ」



理解できないとでも言いたげなその顔に腹が立って、私はそのド派手な頭を一発引っ叩いた。


私の髪より太く、しっかりとした髪が男らしくて不覚にもドキッとしてしまった。



「余計なお世話」



侑は自分の頭を抑えながら席へと戻っていく。

その後ろ姿を見送って椅子に座りなおせば、女子トークが再開された。



「やっぱ仲良いよな」


「ほら、やっぱ恋とか芽生えるんとちゃうの?」



友人のその言葉に今日何度目かのため息。



「芽生えないよ」



そして、何度目かの嘘。



「だって幼馴染だもん」




本当はもうずっと前から好き。

やんちゃなところも負けず嫌いなところもずっと、ずっと。

それはもういつからかなんてわからないくらい昔から。

気付いた時にはもうアイツのことが、



侑のことが好きだったんだ。




1 / 4