dreams come true

ぱーむ ハリポタ垢
@lovegood_0213

目の色

この小説は夢小説 (名前変換ができる小説) です。
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更新遅れましたごめんなさい、

これから不定期になると思います


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スネイプは焦っていた。


なんだこの犬は…っ!


襲ってくる三つの頭を魔法でいなすことしか出来ない。


困っていると、突然ボタンが熱くなった。


《きょ……じゅ……》


ヤマザキの声だ。


その声で思い出した。ヤマザキのあの言葉を。


朝、突然ブローチで呼び出されたと思ったら、大きな犬に気をつけてと言われたのだ。


あの時は何かの嫌がらせかと思っていた。


あいつはこうなることを知っていたのだ。


《ヤマザキ!?》


叫ぶが、返事はない。


嫌な予感がした。


スネイプは隙を見て廊下を抜け出し、ユイを探しに走った。



三頭犬の部屋から出たのはいいものの、ヤマザキがどこにいるかわからない。


どうすれば良いかわからずおろおろしていると、目の前に猫が現れた。


ミセス・ノリスかと思ったが違う。とても美しい白猫だ。


白猫は慌てるようににゃあにゃあと鳴き、スネイプのローブを引っ掻いた。


まるで助けを求めるかのように。


スネイプはもしかして、と猫を見つめた。


オッドアイの猫はにゃあと一鳴きし、階段を駆け下りていく。


スネイプは白猫の後を追った。



猫は誰もいない廊下の真ん中で立ち止まり、にゃあにゃあと鳴き続ける。


しかしそこには何も無い。


スネイプが困惑していると、猫ははっとなにかに気がついたようだった。


猫が空を舐めると、そこから肌色が現れ、頬、頭、体、手足、とだんだん姿が現れてゆく。


ユイが廊下の真ん中で倒れていた。



「ヤマザキ!」


スネイプは軽いユイの体を抱き上げた。


ユイの体はまるで氷のように冷たかった。


スネイプはユイを抱き抱え、自分の部屋へ向かった。



ユイをベッドに寝かせ、慌てて薬を調合する。


魂を救う魔法は存在しない。


自然治癒のみだ。


でも、体なら、元気にすることが出来る。


スネイプは、前にユイに渡した薬の濃い物を作り始めた。



薬が出来上がり、ユイに飲ませる。


冷たかったユイの体が少し暖かくなり、真っ白だった顔色に赤がさした。


スネイプはほっとした。



ユイが目を覚ますと、目の前が真っ黒だった。


びっくりしたユイは声を上げた。


真っ黒の正体はスネイプのローブだ。


ユイの手を握りしめて寝ている。


「スネイプ教授、教授?」


何度か名前を呼ぶと、スネイプはゆっくりと目を開けた。


そして驚いた表情を浮かべた。


「ご心配かけてごめんなさい……」


ユイの謝罪も上の空で、スネイプはじっとユイの顔を見つめている。


なにか呟いたようにも見えた。


ユイが首を傾げると、ようやくスネイプは我に返ったようだった。


「どうかしましたか?」


「お前の、目」


スネイプは掠れた声で言った。


「私の目?ですか?」


「自分で見てみろ」


スネイプは少しふらつく足で手鏡を持ってきた。


鏡を覗いたユイはびっくりした。


限りなく黒に近い深緑だったユイの目は、明るい緑色になっていた。


「さっきはもっと明るかった」


ユイはすぐに何を言いたいのか分かった。


スネイプの漆黒の目は憂いをたたえていた。



ベッドにはスノーがずっと寄り添ってくれていた。


「スノー、ありがとうね」


《あなたの為なら何だってするわよ》


スネイプにはにゃあとしか聞こえなかったが、ユイとこの猫が仲がいいことは分かった。


「この猫はお前のペットか?」


「ええ。私の分身みたいなものです」


「賢い猫だな」


「ありがとうございます」



スネイプは姿勢を正した。


「さてヤマザキ。お前には聞きたいことがいくつもある」


「はい。本当にご迷惑をおかけしました」


「謝罪をしてほしい訳では無い。お前は何故あの廊下に倒れていたのだ。レイブンクロー塔に行くのにあの廊下は明らかに遠回りだ」


ユイは言うのをためらったが、もしユイが倒れなければスネイプは確実にあの現場に行くことになっていた。言うしかない。


「ハーマイオニーを慰めたかったのです」


「はて?」


「あの時、ハーマイオニーはロンにひどいことを言われて1人でトイレで泣いていました。その時トロールがあのトイレに押し入ってきます。ロンとハリーはなんとかトロールをやっつけるのです」


スネイプは驚いた顔でユイを見た。


「そしてあなたは…教授は、三頭犬に足を噛まれる予定でした…。怪我はありませんか…?」


スネイプは首を振った。


ユイはほっと息を吐いた。


「あの時、私はハーマイオニーがいるであろうトイレへ向かいながら、あなたの体の保護とハリー、ロン、ハーマイオニーの保護を想いました。たくさんの人を想い過ぎたのでしょう、私の魂は耐えきれませんでした」


スネイプは呆然としていた。


「それで、スノーを走らせたんです。守護霊を出す力はなかったので…この時のために今日1日スノーを私のそばに置いていました」


「守護霊…?出せるのか?」


「……ええ」


もう何だか色々凄すぎて何から突っ込んだら良いかわからない。スネイプはため息をついた。


「あまり余計なことに首を突っ込むな。自己犠牲が美しいなんて思ってるならお前は馬鹿だ。こうやって倒れられると我輩が困る」


「本当に申し訳ありませんでした!」


とにかく。


「…今日は授業を休め。医務室へ連れていく」


「え?今何時ですか?」


「朝7時だ」


「えっ」


ユイの目はいつの間にか元通りの色になっていた。


スネイプはユイを抱き抱えた。


「えっちょっと!歩けます!」


「黙れ」


スネイプはユイを無視し、医務室へ向かった。




スネイプはまたもや驚かざるを得なかった。


ユイは夢の力を使うと目の色が変わるらしい。


しかし……


あの目はリリーの目の色だ。


間違いない。


スネイプはユイの目に釘づけになってしまった。


あいつはどこまで我輩を惑わせる気なんだ……。



ぼんやり考えていると、医務室に着いた。


ハロウィンの帰りに倒れているところを発見したとマダム・ポンフリーに説明し、魂の事には触れなかった。


触れたら同時にユイの能力のことも言わなくてはならない。

マダム・ポンフリーはあまり詮索しない人間だ。テキパキと薬の用意を始めた。


もう自分はいる必要が無い。


出ていこうとすると、ユイにローブをつかまれた。


「…なんだ」


面倒くさげにユイを見ると、ユイははっとローブを離した。


無意識だったようだ。


「…ごめんなさい」


スネイプはまたため息をつき、医務室を出ていった。