魔導姫戦記

ウロボロス団
@ouroboros_dan

人狩り

聖剣クワルナフと3体の聖獣を得たミシェル達は、その帰路にて野盗に出くわした。


野盗A「女子供か…ボロい稼ぎだな。」

野盗B「最近上がりが少ねぇと思ったが、今日はツイてるぜ。」


一行は襲い来る野盗供を蹴散らす。

野盗が引いていた荷車の中を覗くと、若い娘が捕らわれていた。


ラグナ「だっ、大丈夫ですか⁉︎」

娘「…はっ、はい…!」

ミシェル「何があったんですか?」

娘「村で畑仕事をしていたら、突然連れ去られて…」

ラン「道案内は出来るかい?

村まで送ったげるからさ。」

娘「はい、ありがとうございます…!」


娘を送る道すがら…

聞けば近頃、アルーヴヘイムにいくつかある村で、先住民を狙った拉致事件が頻発しているという。

南方大陸唯一の新興国であるドゥエルグヘイムから軍が捜索・警備に当たっているが、範囲が広過ぎて手が回らないらしい。


シャールヴィ「オイラ達でやっつけようぜ!」

リン「…ランちゃん…どうする?」

ラン「…野盗はともかく、ミシェルが居る時に軍と鉢合わせるのは避けたい所だけどね…」

ミシェル「…そんな…私の為に困ってる人を放っとくなんて…」

ラグナ「…ミシェルさんは、ぼ…僕が守ります!」

ラン「やれやれ…みんなお人好しだねぇ…

ま、しょーがないか…!

世界平和がアタシらの活動目的だもんね。」


かくして野盗討伐作戦が始まった。




村外れの畑で、何故か農作業をするリンとシャールヴィ。

そこへ野盗が現れた。

「ケケケ…ガキ2人ゲットだぜ。」


シャールヴィは手にした鍬を、使い慣れた斧が如く構えて言う。


シャールヴィ「なんだ⁉︎お前ら!」

リン「(ちょっと!ここでブッ飛ばしちゃったら作戦が台無しでしょ!)」

シャールヴィ「(あ、そっか)…ダ、ダレカー、タスケテー!」

野盗「おとなしくしろ!

そうすりゃ命までは獲らねぇからよ。

何しろ、生きてなきゃ売り物になんねぇからな。」

リン「…(後は頼んだよ、ランちゃん!)」




ラグナ・ミシェル・ランは、2人を連れ去る野盗達を尾行し、彼らのアジトとなっている洞窟に辿り着いた。

洞窟内に潜入するラグナとミシェル。


「あれ、ランさんは?」


ランがやや遅れて入って来た。

「ごめんごめん、ちょっと仕掛けをね…」




洞窟内を探索すると、灯りや調理設備・食糧保管庫・治水などが整っており、まるで魔法が供給されているかの様だった。










リンとシャールヴィを牢に閉じ込めた野盗達。

牢には他にも、アルーヴヘイムの先住民と思しき人々が捕らわれていた。


野盗B「ボスは?」

野盗A「お客さんを迎えに行ってるぜ。」


リン「…お客さんって…人買いかな…?」

シャールヴィ「くそッ、アイツら…!」


野盗B「どれ…ちょっくら売り物で遊んでも構わねぇよな?」

野盗A「商品価値を損なわん程度にな。」

野盗B「けっ!減るもんじゃあるまいし。


…どれ、お前がいいな。」


野盗は捕らえた人々の中から、若く美しい娘を指差した。


娘「…いっ、嫌…!」

リン「ちょっと、やめなさいよ!」


牢に入り娘に近づく男の前に、リンが立ち塞がる。


野盗B「なんだぁ?

お前もあと4〜5年すりゃぁいいセン行くんだろうがな…ガキにゃ用は無ぇ、どけ。」

シャールヴィ「…ンのヤロー!」


リンとシャールヴィは男を殴り倒すが…


「動くな!」

もう1人の野盗が牢の外から弓を構えて叫んだ。


シャールヴィ「…クソッ…!」


その時である。


ラン「アンタこそ、動かない方が身の為よ?」

野盗「…何?

な…何だお前らッ、コイツらの仲間か⁉︎」

ラン「そう。

その矢がアンタの手を離れるのと、アンタの首と胴が離れるの、どっちが先か賭けてみよっか?」

野盗「ク…クソォアァァァ‼︎」


野盗は弓を捨て、ラグナ達の方に襲い掛かって来た。

一行はこれを打ち倒し、鍵を奪って牢を開けると、人々を解放する

そして逆に野盗達を閉じ込めた。


ラン「さ、ズラかるよ!」

ラグナ「え⁉︎この人達は?」

ラン「アタシらだけでこの人数は送り届けられないからね。

ここに入る前に、伝話鳥アルキュオネで軍に通報しといたのさ。」

ミシェル「仕掛けって、その事だったんですね?」

リン「さっすがランちゃん♪」

ラン「さ、グズグズしてると鉢合わせるよ。」


一行が野盗のアジトを脱出しようとした時…


「オイオイオイオイ…こりゃあ一体どうなってやがる⁉︎」

野盗のボスが手下を引き連れて帰って来た。

「お前らがやったのか?

…ったく、女子供と若造相手にだらしねぇ…!」


野盗達が武器を構えると、その背後から声がした。

「いや、お前達では彼らには勝てん。

アレを出せ。」

ラグナ「…⁉︎

な…何故あなた達が…⁉︎」


現れたのは、戦場跡にて対峙した国籍不明の兵士だった。


野盗C「知ってるんですかい?コイツらの事。」

野盗D「まさか…俺達がこんなガキ共に?」

ボス「いや、先生方がそう仰るんだ。

アレを連れて来い!」


呼び出されたのは魔導師だった。

しかも既に廃人の様で、メタモルフ化は時間の問題といった様子だ。

それを察してか、国籍不明の兵士は立ち去った。


「待てッ!」

ラグナが叫ぶが、魔導師が立ち塞がる。

戦いの最中、魔導師は案の定メタモルフと化したが、ラグナ達はこれを打ち倒した。










一行が脱出して程なく、野盗のアジトはドゥエルグヘイム軍に制圧され、拐われた人々も保護される。

その様子を、国籍不明の兵士が遠くから望遠鏡で見ていた。


「仕入れ先を1つ失ったか…

まぁいい、代わりの野盗など他にいくらでも居る。」






続く…

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