魔導姫戦記

ウロボロス団
@ouroboros_dan

帰還〜始動

ラグナ達が、ヒノモト国からエーギルの舟屋に戻るとシャールヴィが待っていた。

「ラグナ兄ちゃん!

よかった〜戻って来て…

どうだった?」


ラグナは、ヒノモトで会ったのがミシェルにそっくりな帝国の姫だった事を、言うべきか躊躇し、沈黙した。

シャールヴィには何があったか知る由も無かったが、思わしい結果では無かったと察して言った。

「そっか…

とにかく帰ろう。

そろそろ爺ちゃんも戻るから、オイラが送るよ。」




アースガルド国・ヴァルホル邸にて…


オーディン「ラグナ!

アカデミーにも行かず、どこで何をしていた⁉︎」

ラグナ「すみません…」

オーディン「…

まぁ、無事帰ったなら良い。

…して、例の娘には会えたか?」

ラグナ「…いえ…」


それは、もしかしたら嘘になるかも知れないが、咄嗟にそう答えた。


オーディン「まぁ、そうであろうな。


シグルズの事ならば聞いたが、あ奴なら心配いるまい。

今日はもう休みなさい。


シャールヴィ君、もう夜も遅い。

ソール侯には話してあるから、泊まって行くといい。」










その夜、事実上グレゴリウス領となったヒノモトから、巨大な猛禽に乗って飛び立つ複数の人影があった。

その様子は、偵察兵から伝話鳥アルキュオネを通じてオーディンに知らされる。

「私だ。

…動き出したか。

こちらも兵を派遣する。」


寝付けなかったラグナは、オーディンの部屋の前で偶然それを立ち聞きし、もしやと思った。

(官邸で待ち伏せれば、兵士を尾行して行けるかも知れない。)


ラグナはヴァルホル邸を出ようとする。


「こら、ラグナ!」

心臓が止まるほど驚き、振り返ると居たのはシャールヴィだった。


シャールヴィ「へへっ、ラグナ兄ちゃんも悪い子だな。

オイラも付き合うよ。」

ラグナ「ダメだ!君は大人しく…」

シャールヴィ「騒ぐとラグナの父ちゃんにバレちゃうよ?」

ラグナ「!ッ…」


渋々シャールヴィの同行を許し、官邸に向かった。

門前で隠れて待ち、程なく出立した兵士達の後を尾ける。




襲い来るメタモルフを退けながら、森を抜け、山を越え、辿り着いたのは、アカデミーの史跡見学で訪れ、ミシェルと離別した、旧グレゴリウス城跡だった。






続く…

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