からくり世界と銀鼠

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@AraPerfu_pink

#9 - 械姫編 -








次の日。




昨日同様、ストレスレスで痛快な目覚めをした後やることは、



昨日潤に教えてもらった、毎朝やらなければならないという作業だ。







まず、自分につながっているコードが異常なく挿さっているかどうかを確認する。


ここでいう異常がないかどうかというのは、


コードの挿入が甘くて挿し切れていないかとか、断線していないかとか、

そういう物理的な異常がないか、ということである。



それを確認したら今度は、私が眠るガラスケースの横にある「親コンピュータ」なるものの画面に表示されるバロメータが全て100%になっていることを確認する。


それを終えたら、

機械の電源を切って、コードを全て抜く。





ここまでやったら機械面のお手入れは終わりだ。


すごい簡単で驚いたけど、

潤曰く「人間同様睡眠中に記憶やプログラムの整理をするようにプログラミングしてある」らしいので、私がやることは特にないそうだ。










だけど、今度は生活面でのお手入れがある。









まず、ガラスケースの横にあるスライド式のドアを開ける。

ちなみにスイッチ式だ。


く〜〜〜〜っ、近未来!





中には、私が今着ている服と全く同じ服が10着ほど収納されている。

ここで私は服を着替える。


さっきまで着ていた服は、先ほどのスイッチの下にある穴に投入。

なんかいろんな人の洗濯物をまとめて洗っているらしい。


オシャレ〜〜〜!




次に、さらに奥にあるドアを開けて、中に入る。


ここは殺菌ルームだ。

ピーッと音がなるまでここに入っていればなんと、お風呂の代わりになるらしい。




……湯船、好きだったんだけどな〜〜〜


もうはいれないのかな。


まあ私機械だし、仕方ないか。









これが終われば、あとは人間と似ていて、

殺菌ルームの横にある洗面台で顔を洗い、歯磨き。


ここで水を使うのはいいっぽいんだよね。


やっぱり、この体、ちゃんと防水なんだと思うんだけど。








そして、先ほどのガラスケースに入り、潤を待つ。










この世界の時間は、現実世界での時間システムと少し違う。


いや、システムは同じか。

1分は60秒だし、一時間は60分だし、一日は24時間だし。




なんだけど、なんていうんだろう、

時間というものに対する感覚が違うんだよね。


一応一日を24時間と設定してはいるけど、そんな細かく判断しないで、

一日を4等分して考えることが多い。



午前6時が、前半。

正午が、中間。

午後6時が、後半。

0時が、終焉。



ここを基準に、時間を表すことが多い。

例えば、14時を言い表す時には、

中間二時間後、もしくは、後半四時間前とかいう。

22時は、終焉二時間前、もしくは、後半四時間後とか。




私からするとめんどくさ!?って思うんだけど、

どうやらこの世界ではそこまで不便だと思われていないらしい。


簡単にいうと、この世界の人は時間に大雑把に生きているのだ。



つまり、11時とか、15時とか、そんな半端な時間に待ち合わせしたり予定を入れたりしない。

だいたい6時間単位で予定を考えているのだ。




確かに私も、朝、昼、夜と

なんとなく一日を分割して考えてる。


それをこの世界ではシステムとして導入しているってこと。



そう考えれば簡単かも……?










…というわけで、潤はだいたい朝の6時、「前半」時に来る。



今は5時47分。

私はどうやら電波時計が搭載されているようなので、常に時間を秒単位で把握できる。

いや〜〜〜〜〜便利。


なのでだいたいあと10分くらいで潤は来るかな。


ちょっと待とう。













けどさ〜〜、


昨日みたいにいろんな人に出会ったり、

こうしてこの世界の細かいルールに触れていくと、


ここが本当に異世界なんだなという実感が湧いてくる。






確かに最初は、夢かとも思ったけど。


夢ってのはもっと、意味不明でカオスだ。



それは例えば、私の小学校の時の友達が高校の時の友達と野球をして遊んでいたり、

顔はお父さんだけど体は蜘蛛、みたいな怪獣に四六時中追い回されたり、とか。





だけどこの世界はそうではない。


もちろん、自分がヒューマノイドであるというのは全くもって意味不明だけど、

それ以外の点においては筋が通ってる。




それがこれが夢でないことの何よりの証明だ。









…だけど。



なんで異世界にきてしまったのかは、全然わからない。


そもそも私は、あのまま死んじゃったのだろうか。







正直私は、あの瞬間のことをよく覚えてない。







なんとなく落ちたな。と、それしか覚えてないんだ。



まあ、でも……… 死んだんだろうな。





そういえばあの時一緒に大野くんがいたけど、今、どうしてるんだろ。


今頃、屋上でサボっていたことを怒られているかもしれない。
















なんて考えてると、




「おはようございます、彩乃」




潤がきた。






「おはようございます、潤」




「昨日言ったことはできた?」




「はい。」




「よかった。」




「今日は、何をしますか?」




「今日はね、これから実務教鞭第一だから、教室に向かいます。」




じつむきょう………なんだって?




「頑張ろうね、彩乃」





よくわからないことを言われたけど、

イケメンに頑張ろうなんて言われたので、私は元気よく返事をした。





「はい!」









今日も潤との一日が始まる。













—— サクシャノボヤキ ——



しばらく潤との一日ばかりです。