からくり世界と銀鼠

かるぼなーら⊿ 妄想垢 logout
@AraPerfu_pink

#1 - 序章 -






「あ」





進入禁止の屋上。


そこに人がいると

まずは一声、声を出してしまうものだ。








「何だぁ、大本か」





先客は、そう言ってあくびをした。


まあ私が大本ではなく、仮に先生だったとしても、

彼はきっと同じセリフを言ってあくびをしただろう。




大野智。彼はそういう男だ。







「また絵描いてんの?」







私は彼の横に座り、自分のポケットからゲーム機を取り出しながらそう聞いた。


ゲーム機。少し古い機種だけど、最新のソフトもちゃんと使えるから長年これを使っている。









「んーまあ」



「そっか」



「大本はまたゲーム?」



「まあね〜〜〜勇者してます」



「レベどれくらい?」



「……わかるの?」



「わかんない」








彼との会話は心地いい。


私、話してる間はいいけど話し終わったら

「あれ?私疲れてるな」ってなるタイプなんだけど、


彼との会話にはそれがない。






彼と私が屋上に来る理由は決まってサボりなわけで、


でも、サボりに来てるのに気疲れしちゃったら意味ないじゃん?




だったら教室で寝たほうがましだし。






彼が私のことをどう思ってるかはよく分からないけど、


私が来ることも想定できるなかで未だにサボる場所に屋上を選んでいるということはつまり、嫌われてはいないと思う。



…んだけど。









「ね、何描いてんの?」



「ひと。」



「それはわかるよ、誰?(笑)」



「いいじゃん、別に」





大野くんはそういうと、絵を隠すようにして私から離れた。










いや………これ、わかんないな。


嫌われてるかもしれない(笑)