魔術師→祓魔師

アメツキ
@black_a_dream

松ヶ根の〔幼馴染ルート〕

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松ヶまつがね

岩田いわたきし

夕涼ゆうすず

きみがあれなと

おもほゆるかな



熊野詣の途中、

岩田の岸で夕涼みをしていると、

あなたが一緒にいたのならなぁ、と

思われることよ。





⏩『中庭へ向かう右側の廊下』




「誰が志摩のさるに海琉を渡すか!」

「なんやとこのヘビ顔女!!

 怪我人はすっこんどき!!」

『(…なんで、こうなったんだっけ)』


 海琉の前で繰り広げられる男女の言い争い。

 見慣れたはずのその光景に、二人の男女が言い争いをする理由の中心人物である海琉は、遠い目をしていた。

 事の発端は二十分程前。少し頭を冷やそうと、海琉が中庭へ向かったことから始まる。


 中庭へ向かおうとする途中の廊下の突き当たりで、海琉はドサッ、と、誰かとぶつかった。海琉はぶつかった感触から女とわかると、直ぐ様体勢を建て直し、ぶつかった相手を抱き止めた。そのぶつかった相手は、海琉が先程気まずくなって部屋を出る原因になった一人、宝生ほうじょうまむし、その人だった。

 海琉を探していたと言う蝮に、海琉は何だと答える。

 蝮は、海琉が部屋を出て行ったあと、柔造が海琉を追いかけて部屋を出て行ったのだと言う。しかし、蝮も海琉が大丈夫かと気になり、動ける範囲でこうして海琉を探していたそうだ。そして、蝮は一息おいて、じぶんと柔造は別にそういう関係ではない、と海琉の目を見て言った。

 柔造は泣いていた蝮を落ち着かせようとしただけで、あの行動に深い意味はない。きっぱりとそう断言する蝮に、海琉は、なぜ断言できるのかと問うと、柔造も海琉が好きだから、という答えが返って来た。


『…え?』

「え?やない。

 聞こえへんかったか?」

『い、いや、聞こえてたよ?

 けど、…え?』

「…似たモン同士やとは思っとったけど、

 ここまでにぶいとは思わんかったわ」


 はあ、と呆れる蝮。


「...誰が鈍いて?」


 海琉の背後から現れた人物は、海琉を抱き締めるような体勢で、蝮に返事をした。


「アンタらの事や」

「そらどうも」

『...柔造?』


 背後から現れた人物、それは先程から会話に少し登場している、志摩柔造だった。


「やっと見つけたで?海琉」

「今海琉はあてと話してるんや。

 少し黙り」


 甘い声で海琉に囁く柔造と、その柔造を睨み付ける蝮。


「好きな人見つけたんやから

 話しかけるくらいええやろ?

 なんでお前に指図されなあかんのや」

「その好きな人泣かすようなドアホに

 あての大事な海琉はやれへんわ」

「なっ...、

 もう泣かしたりなんかせぇへんわ!」

「口だけならなんとでも言えるわなぁ」


 海琉を柔造からひっぺがして自身の後ろへ隠す蝮。その行動に、柔造は「なっ!」と声をあげる。


「誰が志摩のさるに海琉を渡すか!」

「なんやとこのヘビ顔女!!」

「おおこわ


 段々エスカレートしていく二人の言い争いに、海琉は口を出せないでいた。なぜなら、ここで首を突っ込んだら面倒なことになりそうだと思ったからだ。


「ええからさっさと海琉寄越しや、

 蝮ィ!」

「イヤや!」


 二人の言い争いは、このあとも海琉を挟んだ状態で十分続き、二人が武器を取り出したことで海琉が鉄拳制裁を加え、ひとまずは終結した。







内心では二人を応援しているが、大好きな姉貴分が取られるのはなんか嫌だ、という蝮。

海琉も柔造も互いが好きだということがわかっているため、柔造ルートと言えば柔造ルート。