魔術師→祓魔師

アメツキ
@black_a_dream

夢か現か〔金造ルート〕

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きみ

われきけむ

おもほえず

ゆめうつつ

ねてかさめてか



あなたが来たのか私がうかがったのか、

はっきり覚えていません。

夢か現実か寝て夢の中のことか、

目覚めて現実に経験したことなのか。






⏩『振り払わない』




 金造の今にも泣きそうな表情に驚いた海琉は、彼の手を振り払うことができなかった。


「海琉が、柔兄を好いとることは

 知っとる。...けど、俺やったら、絶対、

 海琉を泣かしたりはせん。

 俺に、しとき」


 金造の必死の懇願に、海琉は、『金造...』と、彼の名を呼んだ。


 金造は普段、あまり海琉とは話さない。それは柔造が、海琉と金造が会話するのを邪魔していたからだ。

 海琉の気を引きたいが、何か話そうと思しても柔造に邪魔される。そのせいで、海琉と金造が話す時は仕事とバンドのこと以外が話題になることがなかった。


 金造に好意を持たれていたことに、海琉は薄々気づいてはいた。しかし、柔造を想う海琉はそれに気づかないふりをし、はぐらかしたのだった。


「...頼む、行かへんで。なんなら...」

『金造』

「な、んや...?」


 「兄の代わりでもいい」そう言おうとした金造の台詞セリフを海琉は遮った。


『代わりでもいいなんて、

 そんな悲しいこと言わないでよ』

「か...」

『ずっと、私を想ってくれてたんだね。

 ありがとう、金造』


 振り払わずそのままになっていた、金造に掴まれたままの右手に、そっと左手を重ねる海琉。


『...本当に、私でいいのかい?』

「!?」


 海琉の言葉に驚く金造だったが、一拍遅れて「んなもん、ええに決まっとるやろ!」と答えた。


『...私はまだ、あの人を忘れられない。

 それでも?』

「俺が忘れさせたるわ。覚悟しとき」


 「ふん」と笑う金造。


『私の方が先に死ぬかもしれないよ?』

「日本人の平均寿命でいえば、

 ちょうどええくらいやろ」

『...よく知っているね』

「...調べた」


 照れ隠しに横を向く金造。

 海琉はクスッと笑った。


不束者ふつつかものですが、よろしくね』

「...それは嫁に来るときに言いや」


 海琉の言葉に金造が笑うと、海琉もつられて笑う。

 二人は握った手を、そっと絡めあった。



◆◆◆


 蝮の父であるうわばみに呼ばれた海琉は、金造とわかれ、蟒のもとへ向かう。

 金造はその後ろ姿を見送ると、海琉が消えた方を向いたまま、口を開いた。


「ちょっと来るんが遅かったな。

 あいつはもう俺のもんや。

 せやからもう諦め。柔兄?」


 金造の背後に現れたのは、金造の兄である柔造だった。


「遅かった、か。...やられたな」

「さっさとものにせぇへんから

 こうなるんや。

 ...人の恋路を邪魔するからやで?」

「...返す言葉もあらへんわ」


 乾いた声で笑う柔造。

 金造は柔造の方を向いた。


「...大事にせぇよ」

「当たり前や」


 金造は、ニッと笑って答えた。






ざっくり言えば、金造ルートは柔造さんが間に合わなかったルートです。


次は、柔造さんが間に合ったルート、つまり柔造さんルートです。