枯れた花

アメツキ
@black_a_dream

08.

この小説は夢小説 (名前変換ができる小説) です。
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 濡羽色ぬれはいろの空に輝く二つの月。

 一つは蒼白く、三日月。

 一つは紅く、満月。


 大地は無く、辺り一面が海の世界。

 そんな場所で、水面に浮くように咲く花が一輪。

 ...否。

 その花は、枯れていた・・・・・


 その枯れた花に両手を伸ばすと、その手を遮る二つの手。


久方ひさかたぶりに逢えたと思えば、

 小生しょうせいよりもそれかえ?〕


 左手を遮る、花魁のような出で立ちの紅い瞳の女。


〔わらわたちは、貴女を待っていた〕


 右手を遮る、書生のような出で立ちの蒼い瞳の少年。


べにそう。久しぶりね』

〔〔久しぶり〕〕


 紅い瞳の、自らを[小生]と称する女が[べに]。

 蒼い瞳の、自らを[わらわ]と称する少年が[そう]。

 二人とも、この世界の住人だ。


〔そなたに逢えなくなり百年。

 もうそなたには逢えないものと

 思っておったが...〕

〔もう一度、貴女に逢うことが出来た。

 わらわたちは嬉しい〕


 紅は一葉の左手に、蒼は一葉の右手に、それぞれ口づけをする。


〔この世界も変わった。

 途切れること無く吹いていた

 花吹雪は無くなり、金の半月は消えた〕

〔あの花は枯れ、再び咲く様子はない。

 ...あの男をまだ待つのか?〕


 この世界も、百年前は色鮮やかだった。

 水面にはたくさんの花が咲き乱れ、現在枯れている花の両脇には、桜と橘の木があった。

 しかし現在は、その二本の木も、たくさんの花も無く、枯れた花が一輪だけ。


〔小生は今の世界が嫌いじゃ。

 どうか、美しい以前の世界に

 戻しておくれ〕

〔わらわも、そう思う〕

『...ごめんね』


 悲痛な面持ちの二人と、困ったように笑う一葉。


〔...この世界が元に戻るというのなら、

 小生たちは、いつでも力を貸そう〕


 紅の首にかかる、銀色の玉の首飾りが、紅色の月の光を反射し、淡く輝く。


〔わらわたちは、いつも共にある〕


 蒼の左右の腰にある小太刀に繋がった鎖が、ジャラッと音を立てた。


『...ありがとう、紅、蒼。

 どうか、共に戦って。

 

 私の斬魄刀たち』


 紅と蒼が微笑むと、一葉もつられて微笑んだ。








詳しくは書きませんが、[紅]と[蒼]はどちらも一葉の斬魄刀です。

斬魄刀を二本持っているわけでも、二刀一対の斬魄刀というわけでもないです。