君に胡蝶蘭を 12

茉夢@お題箱募集中
@mamu_au

兄の焦り

この小説は夢小説 (名前変換ができる小説) です。
キャラベルに登録してログインすると、登場人物の名前をお好きな名前に変更できます。


Side Y



「つまり、親父が引退してしまえば桜を誘拐した意味がなくなるって事ですか」



「あぁ。だから大和くんは志津雄さんにお願いすればいいんだよ」



「俺の願いなんか聞いてくれますかね」



「大丈夫だよ。もともと引退するための準備はしてあったんだ、それが早まるだけで支障はないはずだよ。それに今回は桜ちゃんの事がある、断れないはずだ」




千さんに説得され、久しぶりに実家に帰った。桜が誘拐された事に親父も動揺していたけど、すぐにマネージャーに電話をかけ記者会見の準備をさせるように言って、すぐに家を出ていった。



実家に帰って約2時間後に記者会見は始まった。その後テレビは親父の引退で話はいっぱいだった。



後は連絡を待つだけだ。桜の居場所がどこか、その連絡が早く来ないかと祈る事しかできない。



気づいたら寝ていて、ラビチャの音で目が覚めた。朝も早いこの時間に誰だと思い確認すると桜からで場所だけが示されていた。もしかしてここにいると思ったら俺は急いでその場所に向かった。



罠かもしれない、敵がいるかもしれない、なんて考えは後回しで急いで向かった場所はビルだった。ビルに入ったが人が1人もいない。



全部閉まってある部屋の中、微妙に隙間があいた部屋があった。その部屋に入ったけど、そこにも人はいなかった。だけど桜の携帯と床には縄があった。縄がある場所は温もりが残ってて、ここに桜がいた事がわかる。だけど本人はここにいない、どこにいるんだ...。



そんな時、俺の携帯が鳴った。相手は八乙女からだった。




「もしもし、八乙女?悪いけど俺ちょっと忙しくて」



「なんだ、忙しいのか?お前の妹顔色悪いんだけど引き取りに来てほしかったんだが」



「は?なんで桜が八乙女んとこに?」



「勘違いするなよ、ロケの最中に偶然見つけただけだ。」



「ちなみにそのロケの場所は?」



ロケの場所を聞くとここから近い場所だった。俺はすぐそこに向かって走る。走ってる最中に八乙女から聞いた話だと赤信号で歩き始めたって、何考えてんだよ!



ロケ場所の近くに着くと桜と十さんの姿が見えた。近くにいくと桜は下を向いていた。早く桜の顔が見たくて肩を掴んで揺さぶった。



「や、大和くん!桜ちゃん具合悪そうだから」



十さんの声や周りの雑音は俺にとってもう蚊帳の外だった。ようやく桜の顔があがると、頬は赤らみ、眉は寄せ、体も震えていていかにも熱があるって感じだった。



俺が喋ろうとした瞬間、桜は倒れた。




「たぶん、桜ちゃん風邪だと思うけど、手首から血が出てるんだ」




ようやく十さんの声が俺の耳にも入った。額を触るとやっぱり熱があって、その後に手首をみた。まさかとは思ったけど、自分で無理やり縄を解いて逃げたのか。




「ったく、無茶しやがって」



「大和くん、後でいいから事情教えてくれるかな?俺も何か知っている事があれば話すから」



「...わかりました」




十さんはふざける人じゃないのはわかってるけど、今回の事はあまり人に言うべきではない。



でも十さんの目をみたら否定はできなかった。



その後十さんはロケに戻って、俺もタクシーを呼んで桜を病院に連れていった。