シュレディンガーの猫

📚🐓マデ子。🐓📚
@akaikiseki

一幕・猫の行方

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「私はエル。

それ以外の事は覚えてないの」

キッパリと笑顔でエルと

名乗った少女は敦と共に先ほどのベンチに

腰をかけていた。

ーー中島敦、記憶喪失の少女と出会うーー

爛々とした笑顔で此方を向くエルから目線を逸らし、敦は考える。

(クレープを落とした挙句一文無しになり

更には何だか大変な事に巻き込まれて

しまったぞ…!)

普段あまりついてない方かな…?と

曖昧に考えていた敦だが、今日ばかりは

断言出来る。ついていない。

しかしながら先程ハンカチを差し出されて

助けられてしまった為、いきなり

この場を後にする事など敦に出来る筈が

なかった。

因みにハンカチを渡された所で

地面に落ちたクレープの回収は

出来ない為、使わずには済んだのだが。

「キミ、名前はなんて言うの?」

エルが敦に問いかける。

敦は慌てて向き直り焦った様子で答えた。

「ぼ、僕は中島敦…!えっと、えー、

…探偵をしているんだ!」

「探偵さん!凄い!かっこいいね!」

エルは目を輝かせて

敦の方を見る。

その時に敦は改めて彼女を見る。

蒼色の透き通った瞳が真っ直ぐと

此方の顔を伺っている。

黒く輝く髪は片方に流す様に伸ばしており

肩まである。

服装は黒色をベースに女の子にしては

少しボーイッシュな格好をしており、

ハーフパンツには白い猫の刺繍がある。

そして手には黒い帽子を持っている。

敦が帽子に目をやるとエルは

あっ、と声を出して帽子を見せてくる。

「あのね、敦君。

この帽子の持ち主さん、知らない?」

そう言ってくるん、と帽子を縦に一回転させてエル自身の頭に上に乗せた。

「探偵さんなんでしょ?私、これ、

返してあげたいの。間違って持ってきちゃって」

困った顔で敦に訴えるエル。

敦もその黒帽子を見て唸りながら、

「…困ってるなら助けたいんだけど、

それなら一旦探偵社(うち)に来て

正式な依頼として申し込んで…」

とエルに依頼の手続きの

手順を教えていると。



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