松野カラ松という名の舞台から降りてこない(カラ一)

マリア@松二期
@rosekike69

松野カラ松という名の舞台から降りてこない(中編)「カラ一」

それからというもの、俺はカラ松兄さんの顔を窺いつつなんの変わらない生活を続けていった。

おそ松兄さんたちにはばれない様にしていたつもりだったのに…。



「ねぇ、一松兄さん…最近様子が変だよね?なんか…前よりもっと話さなくなったって感じがして」


「そ、そうか?気のせいだろっ!」


トド松の言葉に俺は過剰反応してしまった…。

なんで、こう末っ子は勘が鋭いんだろうか。


でも、俺は…

「まぁ、悩みって言うほどでもないんだけど…さ…今、誰もいないよな?」


「えっ…うん…。みんなどっか油でも売ってるんじゃない?」


「良かった…実はさ…」


「うん…」


俺が話そうとした時、急に襖が開いたと思ったらそこには…カラ松兄さんが無言で立っていた。



「あっ!カラ松兄さん♪お帰りなさい~♪」


「…か、カラ松兄さん…お、お帰りなさい」


「ただいま…」

あの時の恐怖が蘇った気がした。

表情はものすごく優しいのに…でも俺には無表情に見えて仕方がなかった。


「どうしたの?カラ松兄さん?あっ!もしかして~♪一松兄さんと二人っきりになりたいんでしょ♪」


「まぁ、そんなところかな?トド松、悪いけど…席外してくれないか?」


「良いよ♪あ~一松兄さんが羨ましいよっ!じゃあ、僕はスタバァに行ってくるね~♪」


「あぁ、気を付けて行って来いよ!!」


「いって…らっしゃい…」


トド松が出ていくと同時に、笑顔だったカラ松兄さんの表情が一変した。


「なぁ、一松…トド松になんて言ったんだ?」


「言ってない!なにも言ってない!」


「ふーん、そうかぁ…まぁ、なら良いんだけど…さぁ」


怖い…俺の心が張り裂けてしまいそうだ。

ダメだ…耐え切れない…。


「か、カラ松兄さん…」


「どうした?」


「ひ、1人にさせてくれないか…頼むっ!!」


「…嫌だとは言いたいが…仕方ないなぁ…まぁ、お前の事だっ!何も言わないだろ?」


「うん…だから…」


無言で去るカラ松兄さんを見る余裕なんてなかった…。

気持ち悪い…見てるだけで…吐き気がする…。


俺は、吐き気を抑えながらトイレに駆け込んだ。




そして、その夜。

まだ気分が優れない…。


皆には風邪ひいたかもしれないとごまかし夕飯も食べずに布団で寝たつもりだった。

眠れない…隣にはカラ松兄さんが座っていたからだ。



俺は寝たふりをしていたが、カラ松兄さんはまるで俺が寝ているつもりなのかずっと語ってきた。


「いつまでも、優しい兄で居ると思うなよ…一松。」

同じような言葉を言い続けるのを聴くだけでダメだった…。

俺の身体はカラ松兄さんを拒絶しているんだ。




眠れないまま朝を迎えた。



「なぁ、皆…ちょっといいか?」


「どうした?カラ松?」

俺以外カラ松兄さんに注目した。



「実はさっ!今日さ、一松と旅行行くことにしたんだよ!」


「え~カラ松兄さんずっるいー!!僕も行きたい―!!」


「僕も僕も~!!」


「長男の俺を差し置いて!行くつもりかっ!」


「まぁまぁ…落ち着いて、おそ松兄さんっ!」

騒ぐ皆を尻目に俺は嫌な予感しかしなかった…。



「まぁまぁ、落ち着けって!一週間ぐらいしたら帰ってくるからなっ?」


「うぅ…分かったぁ…」

カラ松兄さんの説得力にトド松と他の皆は納得したように見えた。


「一松、そろそろ行こうか?」


「…うん…」


「いってらっしゃいー!!!」


「お土産買ってこいよなっ!!!」


「あぁっ!分かってる」


皆に見送られながら俺とカラ松兄さんは外に出た。

帰りたい…帰らせてくれ…俺は皆と居たいのに…。



「なぁ、一松…旅行に行くとでも思ったか?」


「…一応…そうは思ってた…」

俺の中では違う気がしていた…でも、旅行と言う甘い言葉に誘われたのは間違いない。


「まぁ!旅行みたいなもんだもんなぁ…ふふふ…」


「か、カラ松兄さん…どこに行くつもっ…!?」

不意におなかに衝撃が走った。

あっ…殴られたんだと気が付いた時には意識が遠ざかっていくのを感じた。





「ん…?ここは…」


「目が覚めたかぁ?一松♪」

そこにはカラ松兄さんが立っていた…。

身体を動かそうにも動けなかった。



「な、何をしたんだっ!!身体がっ!!」


「あー、拘束したんだよっ!お前が俺に抵抗できないようにっ♪」


あぁ…俺は監禁されたんだと理解した。

これからどうなるんだろう…。



「か、帰して…お願いっ!!」


「ダメだと言ってるだろ?お前は、俺のものになるんだよっ」

詰め寄るカラ松兄さんは真顔だった。

そして、俺の首を両手で包み込むようにして…


「っぐ…あっ…ゃめ…」


「苦しいだろうなぁ…俺の言うことを聞けばこんな事しなくて済むのに…」

また強く力を入れられ俺は苦しくなってきた。


「ゎかった…からぁ…」


「うん♪良い子だねっ…それで良いんだよ♪」


「はぁ…はぁ…」


解放されたと同時に肩で息をせざる得なかった。



「今から1週間俺と一緒に暮らすんだっ♪逆らったらどうなるか分かるよなぁ?」

言う事を聞くふりをすれば大丈夫だとそう思った。

逆らわない様にうまくごまかせば…カラ松兄さんは諦めてくれるはず。



「分かったよ…カラ松兄さんっ!!」