春のパズル

✿*. 𝕟𝕚×𝕟𝕒✿𝕤𝕙𝕚𝕡𝟡.𝟜 ❀.*・゚
@solabell9601

成りかけの空


「おっつかれ〜っ!!」

「ただいま〜っ!!」

「すごいじゃん!優勝だった!!」

「いえーい!すごいでしょ!!」

「最後のバスケ部との競り合いは手に汗握った〜!!!」


拳を握って私以上に興奮しているベル。

やっぱり体育祭ってこういうの楽しいなって思う。


「っていうか〜」

「う、うん…?」

「ずばり!!お題は『好きな人』だったでしょお〜!!」


私の葛藤も知らないできゃー!と喜んでいるベル。

私がどれだけ勇気を振り絞ったと〜!!


「ベルの祈りで半分そんな感じだったの!!『気になる人』だったの〜!!」

「さすが私の祈り…神様ありがとー!!」

「もおお〜!緊張したんだよ!?」

「でも迷わずにリュイくんのとこ行ったように見えたけど」

「そ、そりゃあ…」

「んふ〜!じゃあ進展あったわけだ?わけだ?」


口に手を当てても隠しきれていないくらいニヤニヤしているベルに、感謝半分となんともいえないおせっかいへの(しょうがないんだけど)感情半分で答える。


「…『僕も気になってる』って言われた………」

「きゃーーーーー!!!いいじゃん!やったじゃん!!脈あり!告白しよ!?いっそもうデートに誘おう!?やったー!!!」

「き、気が早い!気が早いから!」

「そんなことないよ!!ぐいぐいいくべきなのよ!世は肉食女子が制してるのよ!?」


私よりも嬉しそうに目を輝かせて詰め寄ってくる。

人の恋バナとなればどうしてここまで元気になるのか。

……いや、でも、ベルの祈りがなかったらずっと進展なしだったかもしれないと思うと、やっぱり嬉しいかも。


「こ、告白はまだ勇気でない、けど、もっと話しかけてみる…私から」

「うんうん!その調子!」

「…ありがと、ベル」

「いいえ〜?私の祈りのおかげとはいえ!行動したのはリィンなのよ!…だからね、きっとリィンは自分が思うより勇気があるんだよ」


優しい顔で微笑んむベル。

…私、誰かに勇気があるなんて言われたことなかった。

自分に自信もないし、すぐ泣いちゃうし。

そんな私の背中を押してくれたのは‪ベルで、きっかけになったのはきっとリュイくんなんだ。


「…だとしたら、きっと恋の力だよ」

「恋はね、人を強くするのよ!…って、お姉ちゃんが言ってた」

「ベルの言葉だと思った」

「私じゃないわよ、お姉ちゃんほど経験豊富じゃないもの」

「経験豊富なの?」

「………さあ…お姉ちゃんの恋愛遍歴はクラウロット家七不思議のひとつよ」

「なぁにそれ〜」


いつもどおりの‪ベルの笑顔でなんだか安心する。

今日はいっぱい勇気を出した日だったなあ、なんて。

きっと、今日一日の思い出がなにかに繋がる気がするから。

もう太陽も沈みかけた空を見上げて、そんなことを思ってた。


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