春のパズル

✿*. 𝕟𝕚×𝕟𝕒✿𝕤𝕙𝕚𝕡𝟡.𝟜 ❀.*・゚
@solabell9601

成りかけの空


「ほら〜、ニコ先生、早く他の子にも配らなきゃ!…違う委員の僕にまで手伝わせてるんだからはやく〜」

「そうだった〜☆じゃあね、ベルちゃん☆」

「ちょっ!」


見てる人が私とリュイ君しかいないからなのか、ベルちゃんのほっぺにキスして立ち去るニコ先生。

ちょっと!学校で何してるんですか!とかリュイくんに怒られながら引っ張られていきつつもこちらに笑顔で手を振っているニコ先生を見送りながら、私は驚いてしまう。


「ほあぁぁ…ニコ先生…大胆…!」

「…あぁもう!余計暑くなったじゃないのよ!!」


顔を真っ赤にして小声で言うベルがとってもかわいい。素直になれないだけで、ほんとはニコ先生のこと大好きなんだよね、ベルも。

…私の予想では、おそらく来年までにはくっつく!


「へへっ…」

「リィン何笑ってるのよ〜」

「べつに〜♪いいなぁ、ラブラブで〜」

「違うもん!……それよりぃ…?そういうリィンはどーなのよ〜?さっきリュイくんと話してたでしょ?」


自分のことを言われて真っ赤になったまま否定するベルだけど、急にニヤッとして私の方に話を振る。


「…ぅ〜!!ダメだよ〜!!気の利いた会話出来ないよ〜っ!!」

「もぉ〜!それ春からずぅっと言ってる!」


仲良くなってから、2人で恋バナなんかするわけだけど、私は全く入学してから進展はなし。


「…そんなんだと〜、誰かが先にリュイくんの彼女になっちゃうかもよ?」


自分や友達の恋バナと同じくらい好きな、恋の噂。

たまに根も葉もない噂はあるけど、女子のあいだで出回るその噂にリュイくんは常連ってくらい、モテる。


「や、やだぁ〜!!」


毎回のことだけど、想像すると心がぎゅっとなる。


「…好きなんでしょ?」


私が涙目で答えると、ベルは膝を抱えて少し笑いながらこちらを見る。


「好きっ!入学する前から…好き…」

「…それが本人の前で言えたらねぇ」

「い、言えないよ〜!!」


想像しただけなのに、涙が出てくる。

私が泣き虫なのに慣れてるベルは、私の頭をぽすぽすと撫でながらなんとも言えない表情をする。


「…なにかきっかけでもないと言えないよねぇ」

「…うん」


それ、私への言葉なの?自分のこと…?とも思って、聞こうとしたけどその時丁度次の競技の放送が入る。


《—…部活対抗借り物リレーに参加する生徒は、入場門付近に集合してください》


「ぁ。リィン集合かかってるよ!…借り物リレー出るんでしょ?紅茶部」

「うん!頑張ってくる!」

「よっしゃ頑張れ!!…借り物で『好きな人』とか出るように祈っとくね〜♪」


にひひっと楽しそうに笑うベルに抗議しながら入場門へ向かう。

よぉし、気を引き締めなきゃ!!



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