春のパズル

✿*. 𝕟𝕚×𝕟𝕒✿𝕤𝕙𝕚𝕡𝟡.𝟜 ❀.*・゚
@solabell9601

成りかけの空

高くなった空、眩しいくらいの太陽。


「夏だ〜……」


つい、口に出てしまった。

暑いけど、暑いって言ったらもっと暑くなりそう。

隣で私と同じように木陰で寝転がって休憩しているベルが、もうほとんど溶けてるみたいな顔で言う。


「あづい゛〜……」

「あぁ…言っちゃった…」

「ほんとのことよ…」


無気力に返事をするのはウィルベル=クラウロット。私はベルって呼んでる。

入学してクラス分けが発表されて、同じクラスで隣の席になった明るい元気な子。ツインテールでとても可愛い子なの。

…今は暑さのあまり体操服の胸元をぱたぱたとしながらだらしなく寝転がってるけど。


「…なんでこんな暑い時期に体育大会するんだろ〜ね…」

「私もわかんない…暑い…」

「競技してる時は楽しいんだけどね………?…は〜……っひぇ!」


2人で溶けていると、ほっぺたに冷たいなにかを当てられて驚いて飛び起きるベル。


「2人とも〜、ちゃんと水分とってる?☆」

「ニコ先生、驚かせちゃダメですよ〜」


水分補給用のスポーツドリンクの入った段ボールを抱えるリュイくんと、それを生徒に配っているらしい保健委員会の顧問のニコラハルト先生。


「びっくりするじゃないのよ!なにすんのよニコ!」

「あはは〜☆僕のお茶目〜☆…あ、ベルちゃん、学校ではニコ先生、だよ〜?」

「うっ…じゃあ先生らしくお茶目とか控えてくださ〜い!」


仲良さそうに会話してる(って言うと大体ベルには「違うわよ!」って怒られるんだけど)2人は、普段から一緒に住んでるらしい。

最初聞いた時は驚いたけど、ベルのお姉さん、この学校に通う3年生のシルフィカさんとお兄さんで体育の先生のユーヴェンス先生も一緒に住んでるらしい。だから、ニコ先生がベルの家に居候してるっていう認識が正しいみたい。


「(でもなんだか羨ましいな…。…私はあれから…距離が縮まって……うぅ…ない気がする…)」


隣で2人のやりとりを見て笑っているリュイくんをちらりと見てしまう。


「なんだか微笑ましいよね」

「ね〜、いつもあんな感じだよ、英語の授業の時も」

「それは大変そう…でもなんだか、………あ、いや…やっぱりなんでもないや」


なにかを言いかけたけど、少し考える素振りをして、微笑みながら言葉を止める。

……リュイくん、モテるし…きっと、告白だってされること多いと思う。

今だって、彼女がいないのが信じられないくらい。(片想いしてる私にとっては嬉しいんだけど)

…そんなリュイくんでも、2人を羨ましいなんて思うことあるのかな?



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