妖の夜にそこに光るは【総大将夢】

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@aiiro_door

祭りの夜

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助けてはくれたものの、自分を見下ろす明らかに人外の者の瞳にあかねは戸惑う。咄嗟にその腕から降りようと動くと体勢が崩れて、慌ててそれを抱き留めたぬらりひょんとさらに接近する結果になった。

目の前にある整った顔に、目を奪われる。


「かように怖がるな。あれと違って儂はお主をとって食ったりはしねぇ」


くっくっと喉を鳴らして笑いながら、ぬらりひょんは、優しくあかねに話しかけた。あかねが少し落ち着いたところで、あかねをそっと地面に下ろす。そしてまた、優しく言う。


「儂はぬらりひょん―――妖の主じゃ。お主はなんと言う?」

「あかね……と、言います。あの、妖さん」


その美しさに引き寄せられるようにぬらりひょんの目を見つめながら、あかねは名乗った。


「今のは……」

「怖い思いをしたか?」


あかねがちらりと横目でそこに横たわってまだ動かない妖を見やると、ぬらりひょんはその目線を遮るように腕を伸ばしてあかねの頬に手をやった。


「あれは海の向こうからやってきた妖じゃ。あやつらは妖の世界の秩序を知らんからいかん」


不思議そうな顔をしているあかねに、ぬらりひょんは続けて言う。


「おぬしら人は知らんじゃろうが、妖の世界にも秩序があるんじゃよ……秩序というより、義理人情と言うべきか」


不思議と、あかねの中に、妖が恐ろしいと思う気持ちはもうなかった。それほどに、この男には惹きつけられる。その顔から目が離せない。

それをわかっているのか、ぬらりひょんのほうも楽しそうにあかねを見ている。そして、唐突に言う。


「のぅ、あかね、今宵は妖の祭りじゃ。儂と一緒に来んか?」

「え………」

「なに、悪いようにはしねぇ。こうして出会ったのも何かの縁じゃ」


妖艶に笑う妖に目も心も奪われる。


「はい……」


夢心地にゆらりと自分のほうへと伸ばされたあかねの手をとり、ぬらりひょんは彼女をふわりと抱き上げる。


「一年に一度の祭りじゃ。一夜限り、妖の世界を楽しもうぞ……」




あかねを抱きかかえたぬらりひょんは、自分の百鬼へ戻るべく、闇の中へと消えていった。