白黒物語〜Halloween2017〜

楸やつき\\\\٩( 'ω' )و ////
@kisasageyatuki

「ハル、早く。お菓子が無くなる」

普段はゆったりと歩くテナがスタスタと歩く。

 ハロウィンのせいだろう。

「テナはおいしいもの好きだよな」

「うん」

街を歩けば多くの人が仮装をしていた。小さな子どもから大人やおじいさんやおばあさん達が定番の魔女や吸血鬼など様々な仮装をしていた。

 テナはハーミディオマントといういかにも怪しい感じのマントを羽織っている。

「じゃあ、行くか」

歩き出す。

『ピピッ』

今一番聞きたくない音が聞こえてきた。

 俺もテナも反射で応答する。応答してしまったために仕方なしにウィンドウに向かって声をかける。

「はいハロルド」

「アシーナ」

『あ、こんばんはー! おお、お二人共ハロウィン楽しんでそうですね!』

こちらはボイスオンリーのため相手の様子は確認できないが、楽しそうであることがわかる元気な声だった。

「これからお菓子のトレードをたくさんしてこなきゃいけないんだ。後で分けてあげるからこの通信なかったことにしてください!」

『ふふっ。ハロルドさんは勘づいてしまいましたか……。君のような勘のいいベイビーは嫌いだぜ……ですね!』

地球で有名なアニメのセリフだろう。テナが「金の錬金術師……!」と反応している。

「シエラ? 私これから兵站の確保に向かう。そちらの任務はそちらで頼む」

『ふっふっふっ。私はちゃーんと分かってますからね! お二人が最後は折れて出撃してくれることを』

テナが家に向かって戻り始めた。

「で、任務は?」

任務の詳細を求める。

『ありがとうございます。任務は地球での幻想種討伐です。既にヒツギさん、コオリさん、それからエンガさんに待機していただいています。反応が多すぎてお三方だけにお願いするのは危険だという判断です。手配します。すぐに出撃してください』

残念ながらハロウィンも仕事が始まってしまった。これは地球にある言葉で言うなら『シャチク』なのではないだろうか、そんなことを考えていた。


「ハロルド、アシーナ! 今日はよろしくね!」

赤い髪に赤い衣装を纏った少女から挨拶をうける。

「任せてくれ」

「おっ! ハロルドとアシーナがいりゃ早く終われそうだな」

ヒツギと同じ赤い髪の青年も歓迎するように片手を軽くあげて挨拶とした。

「アシーナちゃんは今日もかわいいね! でも、今日はハロウィンだよ? なんで仮装してないの? 私楽しみにしてたのに……。あ、ハロルドさんもこんにちは」

青く長い髪を振り乱しテナをぬいぐるみのように抱きしめている。

「さ、行こうか! いそいで片付けちゃお!」

ヒツギの声に応じキャンプシップから現地へと降り立った。


「エンガ。しゃがんで」

テナの声に応じエンガはしゃがみテナのいる方へ銃弾を撃ち込む。

 テナは反対にエンガにバレットボウを向け躊躇いなく撃つ。そのまま二人はお互いの背後の敵を殲滅する。

 同じ飛び道具ということで間合いや動きがなんとなく似るからか、気の合った戦いを見せた。

 個々の戦闘力も高く、比較的よく組むパーティーだったために特筆すべきことなく戦闘は終了した。

『皆さんお疲れ様です。いやあ、ハロウィンの夜にすみませんでした』

シエラの少し申し訳なさそうな声が届く。

「大事に至ってからじゃ遅かった。誰も大怪我しなかった。それだけでいい」

テナは普段と変わらないテンションでそう告げた。シエラも『すみません』とテナの気遣いを受け入れた。

「よし、終わったし早く帰ろうよヒツギちゃん! 仮装だけでもするんだよ?」

「ええ〜……。……。ねえ。アシーナ達もこっち来ない?」

すっとヒツギがこちらに近寄ってくる。

「コオリにいろいろ着せられるから付き合ってくれない?」

そう耳打ちしてきた。

返答を待たずにヒツギはアシーナの背を押して帰っていく。

「はは、悪いな。ハロルドも来るだろ?」

「ああ」

そう返答をし後に続いた。


 この後もちろんテナは着せ替え人形にされていた。テナは寮の人達にもテナがいるのがばれ、大勢の女子からお菓子を受け取っていた。寮母さんなどにばれなかったのは女子の団結力の賜物だろう。

 テナは珍しくヒツギにも遊ばれており、メリオというキャラのコスプレをさせられたいたのが大変おもしろかった。こっそり写真を撮ったということは黙っておこう、そう思った。


〜END〜



2017/10/31 20:52誤字修正

2017/10/31 20:58誤字修正