銀魂 〜雪魄氷姿〜

夢小説書き隊
@Lr6Ra

No.3

この小説は夢小説 (名前変換ができる小説) です。
キャラベルに登録してログインすると、登場人物の名前をお好きな名前に変更できます。

銀「ぬォォォォォ!」



銀さんが定春にくくりつけた縄を思いっきり引っ張る。しかし定春はそれに抵抗して動こうとしない。


…あたしと銀さんは今、定春の散歩に来ていた。定春はそのへんのフツーの犬ではないものの、やはり中身は完全に犬なので散歩も必須なのである。


あたしも銀さんに応戦して縄を引っ張った。


銀「オメー、ダメだってこんな所で用を足したら!お前の排泄物はわんぱく坊主の夢よりデカイんだからな!チクショー…だから散歩なんか嫌だったんだよ!『面倒は必ず私が見るアル〜』とか言ってたくせによォ…最終的にはゼッテーお母さんが世話することになってんだ!」


あ「え、お母さん?銀さんが?」



と、その時…



桂「フン、ペットの躾もできんとは情けない…」




その声に顔を上げると、桂さん…と何か白い大きなペンギンみたいなのがいた。



桂「動物一匹自由にできんようで天下国家をどうして動かせようか。貴様、それでも侍か?」


あ「…桂さん、なんかあたしの目に謎の生命体が映ってるんだけど」


銀「ヅラ…なんだそれ、気持ち悪っ!」


桂「気持ち悪くない、エリザベスだ」



あ、今日は「ヅラじゃない!桂だ!」って言わないのか。



銀「単体で見るとそーでもないが、お前とセットで見ると気持ちわりーよ!ってゆーかお前が気持ちわりー」


あ「それどうしたの…」


桂「坂本のバカがこの前勝手に俺のところへ置いていったんだ。大方どこぞの星で拾ってきたんだろう。相変わらず宇宙海賊なんぞに現をぬかしているからな」


あ「拾っ…てきた…」



桂さんが話している間、定春とエリザベスが睨み合いを始めた。

ってか、坂本さんって誰だろ。



あ「ってか定春とエリザベスが火花散らしてるんだけど!みんなこっち見てくるんだけど!」


銀「お前、地球外生命体は嫌いじゃなかったのか?」


桂「こんな思想も何も無いものをどう嫌いになれというのだ。それに…結構可愛いだろ?」


銀「なぁっ…!」



銀さんが固まった。


恐らく桂さんが「可愛い」なんて似合わないことを言ったからだろう。


…可愛い…か…?



桂「よーし行くぞエリザベス。今日は河川敷まで行こうか」



そう言いながら桂さんはエリザベスを連れて行ってしまった。



銀「ヅラ、お前一体…」


あ「あの人、あんなキャラだったかな…」



すると…

何かいやーな臭い匂いが漂ってきた。



あ「げっ!ちょっと定春!」



定春が糞をしてしまったのだ。



銀「はっ!お前何やってんだよ!うわデカ!ほんで臭!」


定「くぅぅ〜」


銀「だからダメって言ったんじゃん!」


定「ふぅ〜…わん!」


銀「はぁ…無念」



銀さんはその場にがっくりうなだれた。

…そうこうして、とりあえずあたし達は何とか散歩から帰ってきた。

そしてエリザベスのことを二人に話す。



新「ヘェー、あの桂さんがねぇ…意外なところもあるんっスね」



神楽は酢昆布を食べながら新聞を読んでいる。



銀「まーな。奴も丸くなったってことじゃねーの?うちのも貰ってくんねーかな、生産性のねぇやつはうちにはいらねぇや。こいつが生むのはウンコと痛みだけじゃねーか。」


定「はぐっ」


あ「銀さん頭齧られてるよ」


神「そんな言い方定春に失礼アル。定春、そのまま噛み砕くヨロシ」



すると定春は銀さんの頭をガシガシと噛み始め…



新「って、血! 血、出てる!」



(銀)「待て待て待て待て! 分かった分かった。ウンコと痛み、プラスしっこだ」



(神)「よし定春、放してやれアル」



(新)「よし、じゃねーよ! ロクなモンプラスされてねーじゃねーか!

大体ペットは安らぎを与えてくれる存在ですよ。見返りを求める方が間違ってますよ」



そんな中、一人黙ってテレビを見ていたあたしは思わず声を上げた。



(あ)「あ、アレ…」



あたしがテレビを指さすと、みんながそちらに注目する。






(多)『番組では変なペット募集中です。鎖国解禁と共に、我が国では天人と共に様々な生物がやってきています。アナタの近所にも変なペットはいませんか? 当番組ではそんな変で可愛いペットを集め日本一を決定したいと思います。グランプリには豪華賞品が…』






という所でみんなの目が光った。



(銀)「安らぎと豪華賞品…どっちが欲しい?」



(神&新&あ)「「「それは勿論…」」」



考えることはみんな同じだ。







登)「一週間?」



(銀)「ああ。一週間待ってくれたら熨斗つけて払ってやるから」



家賃を貰いに来たお登勢さんに、銀さんは自信満々にそう告げた。



(神)「酢昆布食べ放題アルヨ~」



(新)「酢昆布って…オイ」



(あ)「ケチャップ」



(新)「ついに単語しか言わなくなったよこの人」



(登)「随分と余裕だねェ。何かアテでもあるのかい?」



すると銀さんはドヤ顔で「ある」と答えた。



(神)「珍しくな」



(登)「なんか嘘臭い気もするけどねェ」



(キャ)「お登勢サン、コンナ奴ラノ言ウコト信用シタラダメヨ。絶対ハッタリデスヨ。嘘八百デスヨ」



(銀)「オイ、てめェ。何当たり前な顔して再登場してやがるんだ、コラァ」



(あ)「え、キャサリンこの前からいたけど」



(登)「キャサリンはこの前保釈になって出てきたんだ。行く宛てもないんで、また舞い戻ってきたんだよ」



(あ)「え、保釈?何の話?」



(キャ)「オ前ニハ関係ナイヨ、コノクソガキ」



(あ)「んだとコラ」



なんだよ、あたしだけ仲間外れかよ(・ε・` )


銀)「しかしバーさん。アンタも物好きだねェ。店の金をかっさらったコソ泥をまた雇うとはねェ…。更生でもさせるつもりか?」



(登)「そんなんじゃないよ。人手が足りなかっただけさ」



…人手が足りないだけで、警察のやっかいになっていた人をまた雇わせるだろうか。

…それに、あたし達のことだって、銀さん全然家賃払わないのに追い出そうとすることもない。

…もしかして、



(あ)「…お登勢さんってツンデレなのごふぉぉっ!!!」



突然お登勢さんから強烈な腹パンチをくらい、あたしは吹っ飛んだ。



(あ)「いぃったた、何するのよこんな可愛くてか弱い女の子に!」



(登)「可愛くてか弱い?一体誰のことだい」



(新)「今のはあやのさんが悪い」



…もちろん、ちょっとふざけただけだ。

いい人なんだな、お登勢って。

…なんて、キャラじゃないので口が裂けても言えない。



ーーーーー

そしてそれからは定春のために公園で血の滲む(主に銀さんと新八による)特訓が始まった。



(神)「よーし、行け! 定春!」



定春は離れた所で待ち構えている銀さんと新八の方へ走りだす。



私は神楽の横に立って、神楽と一緒に定春に指示を出す。



(神)「定春、お手!」



(定)「わん!」



バコッ!!



(銀)「おえっ…!」



定春が銀さんを殴る。



(あ)「定春、おかわり!」



(定)「わん!」



バコッ!!



(新)「ぐはぁぁ!」



今度は新八が定春に吹き飛ばされる。



(あ&神)「「定春、おすわり!」」



(定)「ハァ…ハァ…」



ドスッ…



(銀&新)「「うぇぇ…!」」



定春が倒れこんだ二人の上に座る。




殴られた威力と定春の重さに、二人は顔から血を垂れ流していた。





(神)「よし、イケる! 大分上達してきたアルネ」



(銀)「いや、あのさ…まず最初にもうちょっとそっとやってくれるように言ってもらえませんか?」



(あ)「いつも全力なのはいいことよ」



定春はいつも全力でお手やおかわりをしてしまう。



(新)「ていうかホラ、基本の躾(しつけ)でイチイチ命がけだから…」



とその時…



(桂)「何をしている」



いつの間にか桂さんがエリザベスを連れて近づいてきていた。



(銀)「なんだヅラか…」



(桂)「ヅラじゃない、桂だ。それより何をしているのかと聞いている」



(神)「見て分からないアルか? 定春に芸を仕込んでるアルヨ」



(桂)「おお、そうか。それはつまり俺のアドバイスを聞き入れ、心を入れ替えたというワケか」



(銀)「バカ言うな。誰かお前の言葉なんかで心を入れ替えるかってーの」



(神)「今度定春がテレビに出るアルヨ」



(桂)「テレビ?」



(銀)「そのために特訓中だ。まァおたずねモノのお前には関係ねー話だけど…。がっ…うがぁぁ!」



定春が再び銀さんと新八君の上に乗り、そこで立ち上がる。



(神)「よし。ちんちんアルヨ、定春!」



(定)「ハァ、ハァ…」



(銀&新)「「うぉぉ…うぇぇ!」」



(桂)「テレビ…」



桂さんが少し考え込んでいたことに、あたしは気づくことが出来なかった…。




ーーーーー

(多)「変である事を恐れるな! 変とはつまりオリジナリティーだ! 第七回、宇宙で一匹変てこペットグランプリ!!」



「「「おぉぉぉぉぉぉ!」」」



「「「わぁぁぁぁぁぁぁ!」」」



周りから歓声があがる。



司会はテレビでおなじみの、多毛さんだ。



(あ)「いよいよね…」



(銀)「俺等の人生、てめーにかかってるんだから上手くやれよ」



(定)「わん!」



(多)「続いては、新宿区かぶき町から来ていただきました。宇宙生物定春君と、飼い主の坂田さんファミリーです」



拍手が起こり、あたし達はステージの上に立つ。



「なァなァ、あの娘可愛くね?」



「あぁ…確かに」



(神)「定春の事アルか!?」



(新)「いや、多分違うと思う…」



(銀)「オイあやの、なんか大注目浴びてんじゃねーか」



(あ)「へ? 私じゃなくて定春でしょ」



「でもすげー童顔だな」



「しかも貧乳じゃん」



(あ)「おい今喋った奴表出ろや」



(神)「あやの、キャラ見失ってるよ」



(あ)「あたしは強く生きるって決めてるんだ!胸なんて邪魔なだけだ!胸なんて…胸なんて…うぅっ(涙)」



(新)「しかもめちゃくちゃ気にしてるよこの人!」



(多)「予選を勝ち抜いたチームのみなさんには前回のチャンピオン、マスク・ド・ムーさん一家のミス・ガターベルトちゃんへの挑戦権が与えられます。えー、頑張ってくださいね」



(ムー)「かかってこいや!」



(ガ)「クワァァァ!」



(新)「あれがチャンピオンですか…」



(銀)「やるからにはてっぺん狙うぞ。気合い入れてけ!」



と銀さんが言ってる間も定春は銀さんに食いついていた。コレ、なんとなく嫌な予感が…。



(多)「え、えっと…こちら坂田さんに食いついて放さないのが定春君? ってか大丈夫っスか?」



(銀)「大丈夫っスよ。定春は賢い子だから、ちゃんと手加減してますからね」



(定)「はぐっ…」



定春が思いっきり銀さんの頭を噛み、銀さんの頭から血が流れる。



(多)「…血、出てますけど……」



(あ)「何を仰いますか多毛さん。血じゃないですよ、いちごミルクです。この人の成分の約70%はいちごミルクなので」



(新)「いやいやもっとマシな嘘ついてよ!銀さん、審査員ひいてますよ! 血止めて、止めて! 神楽ちゃん、定春止めてよ!」



(神)「う、うん…」



神楽がカクカクした足取りで前へ進む。



そしてカメラマンさんに向かって…



(神)「サダハル、メ。バンゴハンヌキニスルアルヨ」



(新)「てめーも抜きにされてーのか!」



(あ)「はい定春、銀さんからそれ以上いちごミルク取らないでねー。出乳多量で死んじゃうから」



(新)「何ですか出乳多量って!てゆーかちゃんとやってくださいよ!こんなんじゃ決勝まで勝ち残れるわけないでしょ!?」



(銀)「そうか? 審査員の奴等、俺に釘付けになってたぞ?」



(新)「そりゃ釘付けにもなるわ!」



(神)「サンニントモ、ウゴキガカタイネ。ブタイヲフルニツカッテイコー! カラダモットウゴカスー!」



(新)「オメーが一番ガチガチじゃねーか!」



そしてあっという間に新八君と神楽が喧嘩を始めてしまう。



(多)「えー、ペット以上に個性的な飼い主ですね…。ではでは、一旦CMでーす」




CMが終わり、次のペットが紹介される。



(多)「ハーイ、じゃあ次のチームの方どうぞ! えー、続いての変てこペットは…」



しかしあたし達はそのペットを見て驚愕した。



(多)「宇宙生物エリザベスちゃん。そして飼い主の宇宙キャプテンカツーラさんです」



なんと、海賊服を着た桂さんとエリザベスが出てきたのだった。



(銀)「何やってんの、アイツ。指名手配中の奴が変装までしてテレビに出てきやがった…」



(新)「よほどペットが気に入ってるようですね」



(神)「ペットもそうだけど、あの衣装も気に入ってるアル」



(あ)「確かに…。この前も着てたよね」



(多)「えー、カツーラさん。宇宙キャプテンって要するに何なんですかね?」



(桂)「要するに、宇宙のキャプテンです」



(多)「へっ? ………え、ええっと、あちらの定春ちゃんと対戦し、勝ち残った方が決勝へと進めるワケですが…。どうですか? 自信の程は…」



(桂)「あんなのタダのデカい犬じゃないですか。うちの実家の太郎もあれ位ありますよ」



それに対して、銀さんとあたしは反論する。



(銀)「なんだよ、ヅラ! てめーのそのペンギンお化けみたいなのもな、ウチの実家じゃ水道の蛇口ひねったら普通に出てきたぞ!」



(あ)「あたしの実家でだって、レンジでポップコーンの種チンしたらそいつ出てきたし」



(新)「バレるよ、バレる嘘はやめて!」




ーーーーーーーー

多)「アピールターイム! ドンドンドン、パフパフパフ! では第一回戦、それぞれのチャームポイントをアピールしてください。いつも言ってる事ですが、審査員の先生が独断と偏見で点数を算出いたします。ではまず坂田さんファミリーから。アピールタイム、いってください!」



(神)「いいアルか。特訓の成果、見せつけるアルヨ」



(あ)「頑張れ定春!君なら出来る!」



離れた所では、既に銀さんと新八が待ち構えている。



(銀)「この一週間の血の滲む苦労、無駄にしてたまるか!」



(新)「血が噴き出すの間違いですけどね…」



(神)「準備はいいアルかー? 銀ちゃーん、新八ー!」



(銀&新)「「おう!」」



(あ)「準備はいいね? 定春」



(定)「ハァ、ハァ…」



(銀)「大丈夫、自分を信じなさい。お母さん、アンタはホントは出来る子だって信じてるからね」



(新)「誰に話してるんですか…」



(あ&神)「「定春! 行っけえェェェェ!!」」



神楽と私の合図で定春が走りだす。



(神)「定春、お手!」



バコッ!!



(銀)「あぁぁぁぁ!」



銀さんが定春に殴られ倒れる。



(あ)「定春、おかわり!」



バコッ!!



(新)「あぁぁぁぁ!」



新八が定春に吹き飛ばされる。



(あ&神)「「とどめのお座り!」」



ドスッ…



(銀&新)「「ぬぉぉぉぉ!」」



倒れた二人の上に定春が座り、二人が潰されそうになる。



(神)「おっしゃ、完璧アル!」



(あ)「でもなんか周りの反応が微妙…」



それに銀さんと新八、血が出てるし…。








(多)「それじゃあ次はエリザベスちゃんのアピールタイム! どうぞ!」



(桂)「これを見ろ!」



そう言って桂さんが取り出したのは、紙と何本かの筆。



(多)「紙と筆…、それで一体何を…?」



(桂)「さあ、見せつけてやれ、エリザベス!」



エリザベスが筆を持つ。そして…



(エ)「………!」



ササササッ…



もの凄い速さで筆を紙に走らせ始めた。



(多)「おっと、エリザベスちゃん。イキナリ何か猛烈に書きだした!」



だがスグに動きは止まり、紙にはなんとも個性的で立派な絵が描かれていた。



「な、なんだありゃ…」



(多)「やけにスゴイ絵が出来ましたよ。まるで人間が描いたかのようです!」



と、途端に桂さんが司会の胸ぐらをつかむ。



(桂)「オイ、司会。何だその言い方は! エリザベスに失礼であろう!」



(多)「あ、いや…スイマセン……」



(神)「フン! あんなのより私が描いた方が上手いアルヨ!」



神楽ちゃんが腕組をしながらそう言う。



(新)「いや、そういう問題じゃないから…」



(銀)「大丈夫だ。インパクトなら俺達の方が勝ってる。心配するな」



そういう銀さんの顔はまだ血だらけだった。



(あ)「銀さん、いちごミルク出てるよ」



(新)「いつまでそれ引っ張るの!?勝ってるのは血の量だけですよ」



しょうがないなぁー。

私は念のため持ってきてた携帯型ミニ救急箱で、銀さんの傷の手当てをする。



(あ)「はい銀さん動かないでねー」



(銀)「んなっ!/// (あやのが近すぎる…。理性を保て、俺!)」



(あ)「どうかした?銀さん」



(銀)「い、いや…何でもねェ……//」



(神&新)『まさか……(。-∀-)ニヤニヤ』



桂「…はい銀時動かないでねー」



バシャアッ ←消毒液



銀「っア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!おいコラヅラ!何してくれてんのお前!つーがなんでこっち来た!?」


桂「ヅラじゃないキャプテンカツーラだ!いや何か、腹が立ったから」




ーーーーーそして、結果

定春が2点、エリザベス1000点。



(多)「おっと、これはイキナリかなりの点差が開いてしまいました! 果たしてこれから逆転は可能なのか?」



(新)「いや、それこっちが聞きたいんですけど…」



(桂)「ふっ…勝負あったな」



桂さんは勝ち誇った顔でそう言った。




多)「それでは、第二回戦に移らせてもらいますよ! 私が投げるこのフライドチキンの骨を先に持ち帰った方が勝ち。飼い主の誘導も結構ですよ。ちなみに、これに勝つと三万点です!! 気合いを入れてチャレンジしてください!」



(桂)「オイ司会! だったらさっきの一回戦はなんだったのだ!?」



(多)「いえ、やはり番組としては盛り上がりの方が…」



(桂)「そんなもの必要ない! 今スグルールを訂正しろ!」



桂さんが多毛さんに反論する。



(銀)「オイコラ、ヅラ! お前主催者様にイチャモンつけてんじゃねーぞ。文句があるならとっとと帰れ」



(桂)「何!?」



銀さんと桂さんが睨みあいを始める。



(多)「まァまァ。これで勝負が決まります。両者共に頑張ってくださいよ!」



そんな多毛さんをよそにモメ合う二人。



(銀)「こんなまどろっこしい事やめてよォ、ここは男らしく殴りあいといこうや」



(桂)「望む所だ」



(多)「いや、オメーらじゃねーよ! いい加減にしろよ、オメーら!」



(新)「これ、もしかしたら勝てるんじゃない? エリザベスはどう見ても鈍足そうだもん。ねェ、神楽ちゃん! …アレ…?」



(神)[フリップ:新八、あやの、そこでボケる]



(新&あ)「…もう帰れば? 」



(多)「それじゃあ気を取り直して行きますよ! 位置について、よーい…どォォォォォん!!」



多毛さんが掛け声と共に、思いっきり骨を投げた。



そしてその瞬間、定春とエリザベスは同時に走りだした。と思えば…



(多)「おおっと、コレは…!?」



(銀)「うわたたたた!」



定春はあたしの方へ向かって走り始めたのだ。



(あ)「わあああああ!!こら、違う!あっちだから!骨あっち!いだだだ!」



(多)「定春ちゃん、イキナリ逆走して飼い主に乗っかったぞ!?」



(銀)「ちょっと定春うう!?お前何あやのの上に乗っちゃってんの!?今すぐ俺と代われ!」



(あ)「何故ぇぇぇぇ!?」



(神)「定春ズルいネ!私もあやの押し倒したいヨ!」



(あ)「いやみんなどうしたの!?助けてよ!」



(多)「定春ちゃん飼い主に食いついたぁ!一体何なんだお前らの関係は!?」



(あ)「ちょっ…定春やめっ…くすぐった…んっ、うぁ、やだっ…んあっ、」



銀『え、何こいつ何か超エロいんだけど!すっげー興奮してんだけど俺!?』



(多)「おーっとさっきまで食らいついていたのに今度は顔を舐めている!

…さて一方エリザベスちゃんの方は…」



エリザベスはというと、骨に向かって結構早いスピードで走っていた。



(多)「おおっと、一見不利かと思われたエリザベスちゃん。すっごいスピードで駆けて…ん? アレ、気のせいか? 一瞬オッさんの脚のようなものが…」



多毛さんの言う通り、白い表面の下から毛むくじゃらの脚が見えたような気がした。



(多)「あ、また見えた! ホラ、オッさん…」



すると桂さんが司会者の首元にナイフをあてて、脅しにかかる。



(桂)「言いがかりはやめろ。エリザベスはこの日のために特訓を重ねたんだ。オッさんとかそんな事言うな」



(多)「あっ、スイマセン…」



(新)「銀さん、もうダメだ! どうしよう!あやのさんもいろんな意味で危ない!」



定春は未だにあたしに乗っかり、噛み付いたり舐めてきたりする。

…これ懐かれてんの?嫌われてんの!?



すると神楽が動いた。



(神)「定春、どくアルヨ」



神楽が定春のところまで行ってそう言うと、それに反応する定春。



そして神楽は傘で銀さんをつまみ上げ、ユラユラ揺らす。



(神)「ほーれほーれ。欲しいか? コイツが…」



(銀)「オ、オイ、下ろせ! クソガキ!」



定春は揺れる銀さんを必死に目で追いかける。そして…



(神)「行っけえェェェェェェ!」



神楽が銀さんを骨の方へ思いっきり投げ飛ばした。



(銀)「行くのォォォォォ!?」



そしてそのまま銀さんが、走っているエリザベスに突っ込む。



ドッカァァァァァァン!!



(銀)「だあああああああああ!」



(定)「わん!」



定春は再び銀さんの方へ…つまり骨の方へ走りだす。



(多)「これは坂田さん! 定春君が自分に食らいつくのを利用し餌になったァァァァァァ! 茫然と駆ける定春君。しかしエリザベスちゃんは骨に手を…」



すると、銀さんは骨に手を伸ばすエリザベスを後ろから木刀で羽交い絞めにする。



(銀)「豪華賞品は渡さん…」



しかしその後ろからさらに桂さんが銀さんを羽交い絞めにする。



(桂)「エリザベスを離せ! 豪華賞品は俺とエリザベスのもの…」



だがさらに…



(定)「はぐっ…」



定春が桂さんの頭を噛む。



(桂)「はっ、なんだかんだ言ってご主人様が好きか…。だがそれ以上噛みつこうものなら君の主人の骨を折るぞ! さぁ…どーする?」



(多)「てめーらよォ! 競技変わってんじゃねーかよ! 頼むから普通にやってくれよ! 放送できねーじゃねーかよ、オイ!」



(桂)「放送など知った事か!」



桂さんがさらに銀さんの首を絞めていく。



(銀)「ぐぅぅ…あぁっ…!!」



(あ)「銀さん!」



どうしよう、このままじゃ銀さんが…!



だがその時…



(エ)「ああ、もういいっスわ」



(あ)「………え?」



(銀&桂)「「ん?」」



えっ、今のって…。



(エ)「なんかダルーい」



(あ)「えええ、エリザベス!?」



え、エリザベスが喋った!?



(エ)「もう帰るんで、ちょっとどいてもらえます?」



(銀)「おぇぇぇ!」



(桂)「のわぁぁ!」



銀さんと桂さんが慌ててエリザベスの上から退く。



するとエリザベスの口から手が出てきた。



(銀&桂)「「………」」



(多)「だァァァァァァ! コレは…!?」



神楽ちゃんも新八君も、観客も唖然としている。



(桂)「嘘だろ、エリザベス…」



桂さんの虚しい声だけが響いた。





ーーーーーーーーーー

その後、勿論の事収録は打ち切られた。



何が起こったのか誰にも分からず、その後どうしたのかも覚えていない。


そしてあれから誰もエリザベスの事については語らなかった。いや、語ろうとしなかった。