君と出会って

白月 マミ
@KashizukiBamu

会いたいなぁ...

「ただいま...」


玄関のドアを控えめに開け、小さな声で呟いた。


時計の針は既に深夜の2時を指している。

外は静けさと闇に覆われていた。



「もう寝てるよね。」


リビングに入ると無造作に荷物を置き、ソファに倒れ込んだ。


そばにあったクッションに顔を埋め、大きなため息を吐く。


(今日の仕事キツかったなぁ...)


今は新アルバムの収録やらイベントやらで、やたらと忙しい毎日が続いている。


そのせいか、最近体調を崩すことが多くなった気がする。


そんな中での今日の収録は辛いものがあった。


調子の出ない日はたまにあるが、ここまで高音が出なかったことは今までにもない。


さすがに疲労とストレスが限界に達し、もう1度大きなため息を吐いた。


「はぁ.....そらるさんに会いたいなぁ。」



(え...?僕今なんて言った?)


無意識にこぼれ出た自分の言葉に驚き、口をつぐむ。


少しずつ自分の頬が赤く染まっていくのがわかった。



(たしかに、なんだかんだお互い忙しくて、会えてなかったなぁ。)


そんなことを考えながら、僕はスマホを開いた。







数分間Twitterを巡回する。


そらる「今日は天月とさかたと一緒に焼肉食べました。おいしかったよ」


(いいなぁ...楽しそうだなぁ...僕も行きたいよー!)


そんなことを心の中で叫びながら、ソファの上でじたばたと動く。




「会いたいよ...」


かすれた声で呟いた。


それでも静けさは変わらず、虚しさだけが残る。



「はぁ、もう疲れたな。今日は歯磨きして寝よ。」


そう言って、ソファから起き上がったそのとき



ガチャ



突然、後ろのドアが開く音がした。

そのまま音のした方向に目を向ける。



そこには、月明かりに照らされたそらるさんの姿があった。