Indigo Moon ―― 君と見つめた衛星(つき)―― Teen's編

TONEひゃんーIndigo Moonー
@TONE10309337

chapter162

・・・・ボンヤリとしていた。


地球の危機が取り除かれたと言う安心感もあったが、しばらく放心状態が続いていた。

その内、

――――――っ!!

ハッとして我に返った。

史生は・・・・、史生はどうした?

ついさっきまで、ボンヤリとはしながらも、俺に耳には『よし・・・・、これで完了』だの、『うん、これもOK・・・・』だの、しきりに呟く声が届いていたのに・・・・・・。

いつから声がしなくなったのか・・・・・・。

「史生、どうしたんだ・・・・。史生・・・・、応答しろっ!!」

俺の呼びかけにも全く反応が返ってこない。

・・・・いや・・・・・・、時々荒い呼吸や軽く呻いているような声がするのは、俺の錯覚なのだろうか・・・・?


その時、俺はもう既に駆け出していた。

走りながら頭の中で計算する。

もうすぐ雍也が中継を切って30分になる。コンロトール・ルームの爆発が始まってしまう。

史生っ、頼む・・・・、無事でいろっっ!!

長い廊下の角を曲がり、やっとコントロール・ルームのドアが見えてきたその時・・・・・・。

ズガッ・・・・、ドガ――ンッ・・・・・・。

鈍い爆発音が響き、その振動が俺の身体を揺るがした。

「史生――――――っ!!」

俺は無我夢中で走り、コントロール・ルームの中へと駆け込んだ。


ルーム内には、奥の方から爆発後の黒煙がもうもうと上がり、流れていた。

直ぐにスプリンクラーの雨が降り始める。

俺は中央のメインコンピュータの方を見て、胸を撫で下ろした。

コンピュータに持たれかかるように床に座り込んではいたが、史生がこちらを見て、手を伸ばしていたからだ。

・・・・・・よかった・・・・、無事だったのか・・・・・・。

「史生っ、大丈夫か? 急に連絡が取れなくなるし、今も爆発音がしたんで、爆発に巻き込まれでもしたんじゃないかって、気が気じゃなかったぞっ!」

走り寄ってそう言うと、史生は済まなそうに首を傾げた。

「ごめん、直・・・・。爆発は奥の方だったから、僕は無傷だよ。衛星誘導システムをシークレット・アクセスでフリーにした後、時限爆弾の解体を始めたんだ。5つの内、3つまではスムーズに解体できたんだけど・・・・・・。・・・・ちょっと無理し過ぎたのかな・・・・、急にここがいうことを聞いてくれなくなって・・・・」

やや苦しげにそう言って、史生はトントンと左胸を指し示した。

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