作戦開始!

にぁ@キョウ愛
@_ni__a

言えばいい

「お前、ほかのヤツと手繋いだりとか、抱きついたりとかするのか?」


「いや、したくねぇよ!考えたくもねぇ…」


「なら、俺でいいだろ?」


「…ん、うん?何がならなのかわかんねぇけど…俺は音無でいいぜ。」


「……俺『で』いいってなんだよ。」


「お前案外面倒なヤツなんだな…じゃあなんて言ったらいいんだよ。」


「俺がいいんだーって言ってみたら?」


「は?」


「俺は音無くんがいいの〜って言ってみろよ」


「は、はぁっ?っんで、そんなこと!誰が言うか!」


「なら協力しないからな。他のヤツらとイチャイチャしてこい。」


「それはお前がおかしいって言ってたろ!」


「じゃあ言って?俺がいいって」


イチャイチャしろとは言われたけど、責められるとは聞かされていない。と、少し顔を歪ませる。しかしここで音無を失うわけにもいかないので言うしかないんだろうが…なぜそんなことを言わせたいのか理解出来ない。確かに自分が誰でもいいような言い方をしたのは悪かったと思うがそういうつもりではなく言葉のアヤだ。

とりあえずちゃっちゃと済ませて機嫌を取り戻そう…。


「あ、あー、わかったよ。俺は音無が…」


音無がいい。それだけだ。それを言えば元通り任務を遂行出来る。


「えー…と、音無が…」


「俺が?」


「…音無、がー…」


ただお前がいいと言うだけ、それだけなのに何故かその先が言えない。きっと自分が恋愛経験0のせいでこんなことも言えないんだろう。


「日向ー。」


「わ、わかってる!言うよっ!お、俺は!俺は音無がいいっ!音無じゃなきゃ嫌だ!これでいいかっ!!」


「……あ、あぁ、…日向」


「こ、今度はなんだ!?」


「………とりあえず、座れ。」


「………へ……」


これでもかと意気込んだ俺は、生徒達が授業を受ける静かな教室の中で立ち上がり叫んでいた。音無がいいんだ、と。


「…ぁ…」


サー…

頭から血が下がっていく感覚。今なら天使に刺されて殺されてもいいかな、なんて思ってしまった。