いつか、また

ひかる@くづき(ママになりました)
@rui_1292_cage

‪「いつか、また」‬


ブチャラティが耳元で囁き、ベッドを抜け出した。

みるみるうちに冷えていくシーツ、身体、心。

あぁ、自分は一番にはなれないのか…そう、涙を流すのは慣れ始めてきた。

でも、どうしても、トリッシュは彼を求めてしまう。彼の大切なモノを理解しながらも…


あぁ、今日も彼には適わないのね。

あのギャングスターに。


冷えきったシーツに残る香りを抱き締めて…トリッシュは夢を再び見るために眠りについた。

彼になら、こんな潔癖な自分も触れられても嫌だと思わなかった。



でも現実なんて本当は曖昧だ。



彼だと思い込んで、彼だと信じて…抱き締めたり、愛を囁いていたの。

本当は、彼ではなくて。

そこには誰もいなくて。


いつか、またと囁いたあの声は……幻。

私の思い込みよ。


と、トリッシュは目の前でパスタを頬張るミスタに語った。

一番、現実を受け入れられなかったのは自分だと言わんばかりに。

溜息を零すトリッシュに、ミスタは言葉をかける。


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