蒼天と夕刻

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@solabell9601

満月の夜

「………」


たまに、月を見てると、泣きそうになる。

別に、悲しくて泣くわけじゃない。

なにかを…思い出すような、切なくなるような。

特に理由はないけれど、唐突に。


「…不思議なものだな…」


そんな気分になる時はいつも、皆が寝静まった中で1人、庭で空を見上げる。


「…月ですら満ち欠けをするのだから、完璧なんてない…か」


でも、月は満ちることが出来るじゃないか。その言葉を聞いた時俺はそう思ったことを思い出した。


「…俺は…満月みたいに美しくなれない」


…そう、これが切なさの答えだと、自分でも理解はしている。自分は、あの月のように完璧に満ちることは絶対にできない。


「…失敗作だからな」


自分で自分を嗤ってみる。…といっても何度も繰り返し考えてきた言葉をいつも通り噛み締めているだけだから、表情に出ることも別にない。


「………………」


満月をしばらく見つめて、ぼーっとしている。

答えの出ない自問自答。静寂。

こぼれそうになる涙などとうに出なくなるくらいには大人になったけど、気分的に空を仰いでみた。



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