レッドローズの苦悩

93@オジギヲスルノダ
@reinn0000

あがり目の赤薔薇

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コツコツ


スッスッ


「おい、付いてきてんだろ?銀。」

狭い道を歩き、前を向いたまま茉莉が後ろに向かって言う。

「・・・。」

後ろには黒ずくめの女とも男ともつかない人物が立っていた。

「相変わらず無口だな。」

「・・。」

じっと茉莉を見据える銀と呼ばれた人物は、

そのまま無言で近付いてくる。

視線に、はあーとため息をつき、真っ黒で男性のように短い髪をくしゃりと触る茉莉は

「・・・戻らねえよ。」

と一言言った。

「・・・何故。」

外見に似合わない鈴のように可憐な声が銀から発せられる。

眉間に皺を寄せ何かを噛み締めるかのような表情がよく見える。

もう距離は鼻先が触れそうになるほどに近かった。

「珍しく喋ってもらったけど悪いな、それは言わねえ、お前らは多分共感するようなことじゃあねえよ。それとも・・力ずくで連れていく気か?」

そう言われた銀が戦闘の構えをとろうとした瞬間

バチッッ!!

と電気のような音がして、

「!?」

その場に倒れ込む銀。

改造され威力が上がったスタンガンが茉莉の手には握られていた。

「油断はしない方が身のためだぞ。

たかがお嬢様一人だと思うなよ。」

そう言うとどうにかして動こうとしている銀にもう一度バチッとスタンガンを当て動きを封じる。

少し辛そうな顔をして茉莉はどうにかして意識を保っている銀の顔に触れながら言った。

「・・すまん銀、私はまだ戻れない。銀の頼みでもそれは変わらない。」

何かを訴える様に口を開く銀。

「・・・・お、じょ・・お・・慕いして・・。」

顔に触れていた茉莉の手を力の入らない手で握る銀に茉莉は

「・・ありがとう、ごめんな。」

そう言うとするりと手を抜き、すっと立ち上がって銀の前から去っていった。


「・・・・・。」


その場には悲しそうな顔で解かれた自分の手を見つめながら倒れ込む

銀だけが残されていた。


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