平凡くん。ハロウィン

小日向 奏
@kohinata_kanade

千尋×真琴+要

宮城「Trick or treat☆」


千尋「……あぁ”?」



宮城が気持ち悪ぃ顔でニヤつきながらウインクをしてきた為、ギロリと睨みをきかせる。



宮城「も〜〜忘れたのか?ハロウィン。昔、七実のやつが毎年孤児院でイベントやってくれてただろー」


千尋「……覚えてねぇな」


宮城「Trick or treat ってのは、”お菓子をくれないと悪戯するぞ♡”って意味。……って無視すんなよう!」


千尋「……急用ができた」



──…



長瀬組の事務所の個室で、パソコンと向き合い帳簿してる真琴。

ノックもせずに入室した俺に対し、真琴はちらっと目を向けてきた。



真琴「お疲れ様です、千尋さん。ノックはしましょうね、仕事なんだから」


千尋「……真琴」


真琴「なんですか?」



真琴はタイピングの手を止め、回転椅子の鈍い音を鳴らし、体ごと振り返る。

自然な上目遣いにわずかにときめきつつ、俺は手のひらを仰向けに突き出した。



千尋「トリック・オア・トリート」


真琴「……」


千尋「……」


真琴「……はい。いちごみるく飴でいいですか?」


千尋「……!?」



何故……お菓子を持ってやがる……?

持ってないことを前提に、いたずらしてやろうと思ってたってのに。


真琴が握らせてきたいちごみるく飴を、無意識のうちに握力で粉砕してしまう。



真琴「ああ!?何するんですか、もう!折角、政司先輩からもらったのに!」


千尋「……てめぇ、他の男からもらったもんをよく俺に押し付けやがったな」


真琴「それより。千尋さんは何が不満なんですか?」



真琴は中身が粉々になったいちごみるく飴の袋を俺から取り上げると、ぽいっと机の上に投げる。

そして立ち上がり、俺の頬にするりと手を添えてきた。



真琴「ちゃんと言ってくれないと……俺、分からないですよ…?」


千尋(こいつ……俺の心を読んだ上で煽ってきてやがる……。

それでも、それが分かっていてなお、愛おしい…。)



俺は真琴の手首を掴むと、淡々と欲望をぶちまけた。



千尋「お前にイタズラしたい」


真琴「…どんな風に?」


千尋「……めちゃくちゃにしてやる」


真琴「……っ」



耳元で囁いた後、こんな風にと言わんばかりに真琴の下唇をはみ、舌を口内にねじ込む。

白昼、狭い個室からわずかに漏れる真琴の嬌声を、廊下に立つ飼い犬はわなわなと震えながら聴いていた。



要「若にお茶を運ぼうと思ってたのに……!でも何故かここを離れられない!

盗み聞きじゃないです、俺は、番犬として見張りをしてるだけなんです……!!」



おわり

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