Re:member—【Alvasly】

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@solabell9601

魔法の鐘


「おい、本当にとりあえず連れてくとかアホなことするつもりなのか」


信じらんねェな…という顔でベルを見る。


「うん!…大丈夫よ!前も大丈夫だったし!」

「はァ…?前も…??お前人間拾うの趣味なのか」

「しゅ、趣味じゃないわよ!前の時はその…いろいろあったのよ!いろいろ!!」


目をそらして慌てるベル。

その反応を見てスライはカマをかけてみる。


「……まさか前の時も助けられたとかかァ…?」

「…うっ…」


図星、という表情で固まるベル。


「…テメェいつもあんな戦い方してンのかよ…」

「わ、悪かったわね!!」


ベルには馬鹿にされたように聞こえたようだが、スライは(若干馬鹿にもしてはいたが)素直に驚いていた。

…他者のためにそう易々と自分を犠牲にすることが出来ない自分には、考えられない。

利益や命令があるから動く、もしくは…


「…衝動で動く…」

「へ?なに?なんか言った?」


口に出ていたらしい。


「なンでもねェ…」

「…?そお?」


しかし、目の前のコイツはよくわからねェ。

俺を拾うメリット、そんなにあるか?

…と考えたのは何回目か分からないが、やはりコイツの頭が悪いという結論にしか至らない。


「そろそろ着くわよ〜」

「…おう」


気象管理エリアを歩いて抜けて、アークス専用居住区画のセンサーを開ける。

Shipに入る時もそうだったが、ここでも反応しない。

俺を追うためになンかしてるモンかと思ったが…

まぁ、IDがなくても潜入できるように研究所でいくつか盗んで不正IDを作った甲斐があった。


「…ま、上層部の奴らアイツらが本気になったらこんなもんは役に立たなくなるだろうが」


ゲートを通りつつ小声で呟く。

今はそれでも良かった。

…とりあえず、目の前の少女に着いていくと決めたからには。


「うわっさむ〜い!!管理エリア外はもうほんと冬空ね〜…」

「…冬、なぁ…これも気象管理の再現だけどなァ」

「そうなの!?」

「ンなことも知らねェのかよ、馬鹿だな」

「うるさいわね〜!!…あ、着いたわ」


ベルが足を止めた建物は、普通の大きさではなかった。

…何人同居人がいるんだ?と思うレベルの、もはや軽い施設レベルの建物。

その建物の門の前でセキュリティを操作して、中の人物と連絡をとるベル。


「ただいま〜!あけて〜!」

《あらベル、おかえりなさい〜♡…あら?その後ろにいる男の子は?》

《は!?》

《ちょっ、ちょっとまって今男の子って言った!?ねぇシルフィカちゃんっ!》

《えぇ、ベルが連れてきたのかしら…ってあらニコくんもう居ない》


モニターの向こう側で笑顔でいるのは1人だけだが、それ以外に男の声が2人分聞こえる。

その後、ガタガタッと音が聞こえてしばらく経って、


「ベルちゃんっ!!」

「あ、ニコただいま゛っ!?」


玄関の扉が勢い良く開いて、身長の高い金髪の男が出てきてベルに飛びつくようにしてからその身を抱き上げる。


「おかえり☆…じゃなくて!」


嬉しそうな表情をした直後、こちらに顔を向けて少しだけ睨むような視線を向ける。

しかしそれは瞬きしていたら気づかないほどの一瞬で、ニコッと笑ってこちらに問う。


「君、誰かな?☆」


…笑顔ではあるが、ベルを抱きしめたままこちらを警戒しまくっている様子だ。


「……誰、とか問われてもなァ…そいつに拾われた身っつーか…」


そう言うと、いつから聞いていたのか分からないが玄関の扉の近くで立ってこちらを見下ろしている男がため息をつきながら言う。


「…はぁ…ベル…お前また拾ってきたのか…」

「あらあら〜♡新入りさんかしら♡」


先ほどモニターに出てきていた女もいる。

その男と女の容姿は白髪にオッドアイと似ているため、おそらく兄妹だろうと察する。

…これでここの家にいるのは全員だろうか。


「そう〜!また拾ってきたって言い方はなんか!こう!不服だけど!!ニコが良かったからいいでしょ〜!?」

「ベルちゃんそうじゃないよ〜!!いや、拾われたのは感謝してるけど!?」


先程からニコ、と呼ばれている男はずっとベルにくっついたままだ。


「……ロリコンか…?」

「君全然喋らないと思ったらすっごい失礼だね!?」


勢いよくツッコむニコ。

それに白髪の2人が追い打ちをかける。


「ロリコンっつーかベルコンだよなニコは」

「お兄ちゃんもシスコンというよりベルコンよ♡」

「お、俺はシスコンじゃない!!」


必死で弁解している白髪の男だが、初めて会うスライにも分かるほどに隠しきれていない。


「え、でも私ゆーにぃすき〜!」

「………っ!」

「お兄さんお兄さん、そういうとこだよ」


ベルの一言に、口を一文字に結んで耐えるような顔で目を瞑っている。

ニコはそれを見て冷静にツッコむ。

4人は自分がいることを忘れているんじゃないのか?というほどに盛り上がっている。


「…へくしょっ!」


寒空の下でこんな会話をしていたせいか、ベルが大きなくしゃみをする。


「あ〜!ベルちゃんが風邪ひいちゃう!はやく部屋に入ろ?」

「あっちょっとニコ降ろして〜!」


ベルの静止も聞かずにあっという間に部屋の中に入っていってしまうニコ。

残されたスライに、白髪の男が声をかける。


「…はぁ、とりあえずお前も入ってくれ」

「…簡単に招き入れていいのか?どこの誰とも知らねェ奴を」


そう欺いてみせるスライに、白髪の男は一瞬立ち止まり、凍るような視線をこちらに向ける。


「…お前が妙なことしたら、ベルが気付かないうちに追い出してやるよ」

「お兄ちゃんは弱いけど、私はそれなりに戦えるわよ♡あとニコくんも♡」

「…そォかよ」


面倒くさそうな場所に来ちまったかもしンねェなと考えを巡らせながら大人しく着いていくことにする。…言ってみたものの、別になにかするつもりでもなかったから。



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