Re:member—【Alvasly】

✿*. 𝕟𝕚×𝕟𝕒✿𝕤𝕙𝕚𝕡𝟡.𝟜 ❀.*・゚
@solabell9601

海の底と陽の光


「そーですか…まァ…そンならよろしく頼むぜ」

「ええ!」


ようやく立ち上がって、身支度をする彼に、少女があ!と叫んで言う。


「そうよ!まだあなたの名前聞いてなかったわ!…私は、ウィルベル。ウィルベル=クラウロットよ!今年で13になるわ。」


ふふんっと鼻高々に答える少女は、おそらくアカデミーでも優等生であったのだろう。

この歳でアークスをそれなりにこなすということは、もっと以前から正規のアークスとして活動していたということだろう。


「………アルヴァスライ=ストレンジ。今年で15だ。……なンだテメェ歳下かよ。」

「な〜!!!年下で何が悪いのよ!これでも私強いんだからね!」


むぅっとむくれて武器のタリスをぶんぶん振る少女に、馬鹿にしたような笑いで答える。


「はァ?さっきの罠ごときに苦戦してて何ほざいてンだよ」

「あれは!!あの原住民を助けたくって…!」

「…わかってるよ。…テメェ歳下の割にはよくやるじゃねーか」


少女はその言葉に嬉しかったのか、ぱああっと顔を明るくして彼に言う。


「でしょうっ!?…あ、ベルって呼んでもいいわよ!今機嫌がいいから!」

「うっせェ呼ぶかよ。テメェで十分だ」

「口が悪い〜!!アンタなんかお兄ちゃんに叱られちゃえ!」


そう言って準備を終えた彼の先を先導して歩く彼女が振り返って言う。


「さ、帰ろう!」


—————帰る場所が、出来てしまった。

そのことが、嬉しいのか、苦しいのか、よくわからなかった。

分からないからとりあえず、帰る場所を持つ気分というのも、試してみようと思った。


「…あぁ。」


その場所が、彼にとってどれだけの救いとなったのか。

彼を海の底へ縛り付けていた荊は、差し込む陽の光で少しだけ緩んだのかもしれない。


5 / 5

著作者の他の作品

スピネル=エルツ=ハインズおじいちゃ…ンン゛ッ…もとい…くんの何気ない日常の...

学パロヨルベルちゃんずのおはなし。♡SpecialThanks!あまねちゃん♥