Re:member—【Alvasly】

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@solabell9601

海の底と陽の光

———彼は、1人で居た。


…あれからどれくらい経ったろうか。

もともと戦闘のセンスもあった彼は、とりあえずの金に困ることは無かった。

長年積み重ねた研究所での功績も全てコピーして持ち出している。

それでも追手がないのは、よほど彼の能力に警戒しているからか。

…いや、というより…それ程までに隠したいことが上層部にはあるのか。


まぁいい。そんなことを考えても、どうせ研究所に戻るつもりなどないのだから。

戦闘を一種の娯楽と捉える彼は、日中はほとんど狩りをしていた。

気に入っている狩り場である此処、海底地域では、最近よく見かける人物がいた。

およそアークスとは思えない幼さながら、全属性のテクニックを使いこなしている少女だった。

無論、組んで共に戦う気など微塵もなく、むしろ避けているがために目に付く存在だった。


彼は人との距離感の測り方がわからない。

…いや、単純に知らないと言った方が正しい。

両親からそんなことを教えてもらってなどいないし、得た一般的な常識は全て本の中の出来事だ。

研究所にいた頃は、自らの中性的な顔立ちのせいでもあるが…。

およそ15歳の男子が経験しないであろう妙な距離感を覚えてしまった。

そんな彼に、目に付くとは言えど自らの利益になるとは到底思えぬ少女に声をかける意味などなかった。


だが、ここ最近は毎日走り回っている少女を今日は見かけていない。

…もっと奥まで行ったのだろうか。…いや、俺には関係ない。

そう思って今日の成果を確認しようとデータを開いた時、洞窟の奥から声が聞こえてきた。



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