Re:member—【Alvasly】

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@solabell9601

自我と狂気


「…知ってる?…僕が密かに戦うための訓練をしていたこと」


両親だったものソレは沈黙している。

知るはずないよね、見ててくれたことなんか一度も無いもの。


「別に誰かに使うためじゃなかったよ。僕は…あなた達パパとママに振り向いて欲しかっただけなんだ」


まだ何か言おうとするソレに、手に持ったナイフを落とす。


「もう何も聞きたくないや。…僕は、勉強しても、絵を描いても、認めてくれないから、力をつければ認めてくれると…思ってたんだ。」


重力に任せて落としたナイフをもう一度ソレから抜いて拾う。


「誰かに必要とされたい…ううん、あなた達に『僕』を必要とされたかった」


今まで胸に秘めてきた言葉と共にナイフを振るう。


「ああ、楽しい、愉快だね、僕はこの日のために生きてきたのかな」


『わらっている』のか『ないている』のかもう彼自身にも分からなかった。


「おかしいと言われてもいいんだ、あなた達にそれを言う資格なんてないけど」

「切り刻む感触、抉る感触、僕の努力…読書だけでは得られない知識」


言葉と共に流れた涙でもう前は見えない。

ただただ、両親だったもの赤黒いナニカにナイフを振り下ろす。

その行為に対する後悔と愉悦は、彼の心に茨となって絡みつく。



「さようなら、僕の愛した人達パパ、ママ



…それからのことは今でも記憶に残っていない。


血の海で立ち尽くし自らも赤黒く染まってしまった彼は、感情を、心を、閉ざした。


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