ジェミニの夢

六十月菖菊@連日深夜のテンションで頭おかしい
@sixtymonth

第6夢



「思っていた通りなのです。1000万が格好の餌食なのです」

『でも機転の良さはさすがだネ。上手く躱してるヨ』

「えぇ、えぇ! そりゃあ、おねーちゃんの大好きな鳥頭がいるチームですからねぇぇ!」

『もウ、拗ねないでおくれヨ』


 あからさまに拗ね始める叶夢に呆れる夢見。

 楽しいキョウダイ喧嘩をしている間にも、心操人使は着々とハチマキを回収していた。


「さすがなのですよ人使!」

「どーも」

『この調子ならアタシたちの“個性”も使わずに済むナ』

「実質何もしてないのですよ。あれ、もしかして叶夢たちお荷物なのです? 役立たずなのでは?」

「お荷物なら馬になれないだろ? そう心配しなくても、ちゃんと役に立ってるって」


 完全なる気配遮断、そして背後からの奪取。心操の“洗脳”による不意打ちと、叶夢の桁外れな身体能力がなせる技である。


「へへぇ、人使は良い奴なのです〜」


 騎手を見上げ、ニコニコと上機嫌に笑う。


「やはり持つべきものは友達なのです!」

「今まで友達0人だった奴が言うと感慨深いなぁ」


 奪い取ったハチマキも相当な数になった。

 一度周りを見渡してみると、爆豪チームとB組の物間寧人のチームが目に付いた。


「あのコピー野郎、叶夢たちと同じように漁夫の利していやがったのです」

『結構な点数を稼いでいるみたいだガ……あんなに目立ってしまっては元も子もないネ』


 物間の挑発に爆豪が怒り、物間のチームを襲いにかかる。

 その言動と浮かべている憤怒の形相に「やっぱりアイツ、ヒーローにあるまじき下品野郎なのです」と叶夢が呟く。

 やがて、物間チームのハチマキが爆豪に奪い取られた。これで、爆豪チームが3位に浮上する。


「……ああいう“個性”のヤツらが、上に行っちまうんだもんなぁ」


 爆豪の“個性”である“爆破”を見つめながら心操がボヤく。

 それを聞き取った叶夢はハッとした顔で彼を見上げた。


「人使」

「なんだよ」

「人使は、上に行きてーのですね?」

「……え?」


 戸惑う心操に、叶夢はニッと笑いかける。


「連れてってやるのですよ! 叶夢は人使の友達ですからね、お手伝いしてやるのです!」


 そう宣言した直後に、カウントダウンが始まった。


「人使、暫定2位のあのチーム────B組のガチガチ野郎のチームを狙うですよ!」




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