【刀剣乱舞】薬研くんは主が大好きなようで。

花葵里🌻相方そにゃ❤
@Kaori_0730_

1.我が本丸の主

西暦2205年。


歴史の改変を目論《もくろ》む、歴史修正主義者ーー通称『時間遡行《そこう》軍』。

時間遡行軍により、過去への攻撃が始まった。

時の政府はそれを阻止する為に、『審神者《さにわ》』なる者を各時代に送り出した。


審神者なる者とは、眠っている物の想い、心を目覚めさせ自ら戦う力を与え、振るわせる技を持つ者。

そしてその技によって生み出された付喪神《つくもがみ》、『刀剣男士』と共に歴史を守る為に過去に飛ぶーー。



✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽――



「主《あるじ》様、おはようございます」


「こんのすけ、おはよう」



朝。

いつも通り起床し、身支度を済ませると、ちょうどそのタイミングでこんのすけが部屋に入ってきた。



「主様、本日の内番は如何《いかが》致しましょうか?」


「そうだね。じゃあ、今日一日の内番はーー」



今日の内番を伝えると、こんのすけは一礼をして部屋を後にした。


今日も、いつもの一日が始まる。



「さてと……」



こんのすけが部屋を後にしたのを確認し、立ち上がって近くの窓に寄る。

外の景色は、一面の銀世界。見渡す限り、雪が積もっている。



「真っ白だ……これは、短刀達がはしゃぐだろうなぁ…」



そんな独り言をもらしていたら、



「たーいしょ」


「…!」



聞き覚えのある声がして、振り返ると部屋の襖《ふすま》に寄りかかってこちらを見ている僕の刀剣男士、薬研藤四郎くんがいた。



「あ…薬研くん、おはよう」


「おはよう大将。昨夜はよく眠れたか?」


「あー……うん」



慌てて顔を逸らし、目元をこすった。

実は、昨日はあまり眠れなかったのだ。怖い夢を見たから。


(怖い夢なんて、審神者の僕らしくないな。僕はあいつらを……時間遡行軍を倒して、歴史を守らなきゃいけないんだ)



「大将」


「えっ…?」



不意に薬研くんの声が近くで聞こえ、驚いて顔を上げると、薬研くんが僕の隣に来ていた。

心配そうな表情で、僕の顔を覗き込んでいる。



「大将、大丈夫か? やっぱり眠れなかったみたいだな。目の下に隈《くま》が出来てるぜ」



そう言って、薬研くんは僕の目の下を触ってきた。あまりにも自然すぎたから、驚いてしまった。



「あんまり気負いすぎんなよ、大将。実際に時間遡行軍と戦うのは、俺達刀剣男士なんだからよ」


「えっ…何で……」



僕が驚いて薬研くんの方を見ると、薬研くんは悪戯《いたずら》っぽく笑っていた。



「んな事だろうと思ったよ。大将はただ、俺達を戦場に送り出してさえしてくれればいい」


「薬研くん…」


「さーて…俺はそろそろ下に戻るわ。大将も早めに降りてこいよ?」



薬研くんは軽く背伸びをしながら、部屋の出口に向かう。

途中で「あっ」と声出すと、僕の方を振り返って悪戯っぽい笑みを浮かべた。


そして、



「今日も眠れないんなら、俺が添い寝してやろーか?」


「…っ!?」



そんな事を言った。


僕は顔を真っ赤にしながら、叫んだ。



「っ…薬研くんのバカー!!」





そんなこんなで、僕と僕の刀剣男士達の、いつも通りの日常が始まります。