【とうらぶ】子午線の闇

sof@動画連絡は新垢で
@sinano_n_yagen

 稽古場で、二つの影が交差する。

 白い刃がぶつかり合い、火花が散る。

 睨みあった二つの双眸。

 母衣が閃く

 

 ――ズダン……!


「くっ、ハハッ……やるじゃねぇか……」

「……」


 母衣を纏った影が膝を折り、口角を上げ哂う。

 普段は余裕綽々な、涼しい顔が歪んでいた。


「どうしたよ、お前が勝ったんだぞ、もっと嬉しそうな顔しろや、二代目?」

「……が、う……」

「……あ?」


 俯き、ふるふると肩を震わせる、二代目と呼ばれたもう一つの影。


「……こんなものは、違う! 確かに俺はあんたを超えてやると言ったが、こういう事じゃねぇ!」


 勝ったのは自分だというのに悔しげに歯をギリリと噛みしめる。

 その瞳に宿るのはもどかしい悔しさと、遣る瀬無い怒り。


「こんなもの、俺は認めない! あの、届かないほどの強さに勝つのが良いんだ! こんな……こんな、」


「こうなっちまったもんはしょうがねぇだろ……」

「っ、……巫山戯るなっ!」


 ――カタリ


 口を開き、怒りを尚もぶちまけようとしたところで、稽古場の戸口で音が聞こえ二人はそちらを振り返る。

 そこには逆光で表情が陰った二人の今世の主が立っていた。


「「大将……」」


「薬研君、行こう」


 二振り目へのみ声をかけた、審神者。その声に反応したのは一振り目だった。


「行くってどこへだ、大将?」

「薬研は本丸ここで他の極の子たちと待ってなさい。薬研君、行こう」


 審神者は一振り目にはそう言い放ち、再び二振り目を静かに促す。ふと、審神者の後ろを見やれば、極めていない二振り目以降の短刀と脇差、初期一軍メンバーを連れていた。皆、逆光で顔はよく見えないが、危機迫ったような、真剣な雰囲気だ。


「大将……?」


 ふと胸騒ぎを覚える、一振り目。何故か引き止めなければならない、そんな思いがこみ上げて来たが、その時声を放つより先に、隣にいた二振り目が審神者の元へと一歩を踏み出した。


「……行って来る」

「おい、待て、二代目」


 一振り目の制止を聞こえないものとでも言うように、ゆるりと審神者の元へと歩み寄り、一振り目を振り返る。

 二代目もその表情は陰ってよく見えないが、瞳が光ったように見えた。


「……無駄だ、大将は止まらんさ、頑固な御仁だからなぁ」

「は、お前、何、を……」


「薬研、この本丸とあとの皆を任せます。皆、行くよ」


 各々に返事を返し、審神者の後に続いて稽古場を去っていく。最後に残った二振り目が一歩踏み出し、そして一振り目をちらりと振り返る。

 光を背負った二振り目は口元を歪ませ哂う。


「大丈夫だ、すぐに戻してやるぜ。……なぁ、一代目?」

「な……!」


 身を翻し去っていく二振り目を傷を負った一振り目が慌てて追いかけようと身を起こし、稽古場から出るとすでにそこには誰もいなかった。



 ――その日、一人の審神者が歴史修正主義者に身を落とした。



――――――――――――――――――――――――――――――――


極弱体化阻止部隊( ゚Д゚)<野郎ども! 政府ぶん殴って来んぞ! うぇぇえええーい!!



相方からこの件の一文頂きました

http://cvel.jp/book/21336/

著作者の他の作品

は、ツインテの日らしく。乱君と女審神者メインで出てます。あとはちらっと信...

大倶利伽羅さんをどうにか話しやすいようにしようとしている審神者のたくらみ...