百合「わたしとお付き合い」本編完結

しおり*創作アカ
@ss0usaku

あなたとお付き合い

ずっと男性が苦手だった。

怖い?気持ち悪い?分からないけど、 ずっと苦手。

でも、世の中の女の人ってみんな男の人と付き合ってるし、それが当たり前、そんな中で男性と付き合いたいと思わないわたしがおかしいんだと思ってた。

男の人が苦手って言っても、食わず嫌いなだけかもよ?経験不足、勘違い。そういうことじゃない?


一回、誰でも良いから付き合ってみようかな。なんだかんだ言って、いざ付き合ってみたらうまくいくんじゃない?


そう思って無理やり合コンに参加して、適当に掴んだ相手。


クズだった。

好きになんて全くなれない。即刻別れた。


次に付き合った人もクズ、次の人もクズ。男性がみんなクズな訳ないし、そんな中でクズばっか引くわたしって見る目ないんじゃないかな……



別れる度に、仲良しのつばきに話を聞いてもらう。それはクズだね、って話を聞いて受け止めてくれるつばきにはとても救われた。


つばきみたいないい人に出会えたら良いのに。なんでわたしはクズばっかりと付き合ってるんだろう。



三度目の破局の後。相変わらずつばきに話を聞いてもらっている。


「変わりたいっていってるけど、何からどう変わりたいの?何か、変わったの?」


そう問われて、すぐには返事ができなかった。わたしは何を変えたかったんだろう。他の人と同じように異性を好きになれるようになること?男性が苦手なのに無理やり?恋がしたい?でもそれって誰でも良いの?


そうやって無理をして、得られたものってなんだっけ。


つばきの言葉は、胸に刺さった。わたしは今まで何やって来たんだろう。「普通の人」になりたいってコンプレックスに振り回されて、誰でも良いからとか言って傷ついて。わたしは何がしたかったのかな。



呆然とする。

そんなときに、つばきから意外な提案があった。


「女の人はどう?」

「わたしと付き合うのは、どう?」


女の人と付き合う。つばきと、付き合う考えたこともなかった。だって「普通の人」は異性と付き合ってる。当たり前のように。だからわたしも、異性と付き合うのが当たり前って思ってた。でも、選択肢はたくさんあるんだって、その時に気づいた。女性と付き合う。なんかしっくりきた。


それから、つばき。

いつもわたしに優しくしてくれる。受け入れてくれる。つばきみたいな人なら付き合いたいなって、思ってた。


……つばきと付き合うの、とても幸せなんじゃない?つばきと。つばきとなら。


「大事にする」って言われて、すごく嬉しかった。大事にされたことなかったから。


大事にされる、喜び。

無理をしなくても良い安心感。

「当たり前」から解放された解放感。

なにより、信頼できる相手との交際への期待。


わたしは、つばきと付き合うことになる。とてもいいんじゃない?

女性だから、男性じゃないからって理由だけじゃない。つばきだから、信頼して付き合える。


誰でも良いってスタンスじゃない。この人だから付き合える。付き合いたい。そんな気持ちになれる相手と、お付き合い。

大事にしてもらえる。わたしも大事にできると思う。


なんでもっと早く気づかなかったのかな。少しの後悔。つばきが提案してくれたことへの感謝。



色々あるけど、とにかく楽しみだ。

つばきとお付き合い。


わたしはつばきとお付き合いするのだ。