初恋の春一番

93@なつあつい
@reinn0000

初恋は帰ってくる(トド松視点)

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初恋

誰しも1度は経験があるだろう

兄弟の間でドライモンスターと呼ばれるボクでもそんな経験がある


ボクの初恋をかっさらったのその人は近所に住んでいた、

ボク達よりも3、4歳年上のお姉さんだ。

小さい頃はよく遊んでもらっていた。

お姉さんは穏やかで優しくて、けれど悪いことは大人であっても注意する勇敢さがあった。

さらさらとした綺麗に揃えられた黒いショートカットと丸くきらきらとした黒い宝石のような瞳、

年の割に身長が高くすらっとしていたのをボクは鮮明に覚えている。

子供のボクからしたらそんなかっこよくて綺麗な戦隊モノのピンク色のヒーローのようなお姉さんに憧れを抱くのは当然のことだった。

お姉さんは絵を描くのが好きでよく空き地で絵を描いていた。

ボクはよく絵を教わりに行くという口実を使ってお姉さんの元へ行っていた。


その頃のボク達はまだまだイタズラ盛りのクソガキで周りを引っかき回していた。

1度だけお姉さんにもイタズラをしたことがある。

お姉さんが絵を描く時に使っていた色鉛筆を空き地に隠したのだ。


・・当時のボク達から見たら可愛いイタズラのつもりだったけれど、お姉さんにとってはとても酷いことだったんだろう、


結論から言うと、めちゃくちゃに怒られた。全員1発ずつげんこつを食らい、正座させられて2時間お説教を食らった。

兄さん達は怒られてもけろっとしていたが、お姉さんが大好きだったボクは酷く泣いて後悔した。

でも、謝ることは出来なかった。

当時のボクの僅かなプライドが謝ることを許さなかったのだ。


今思えばどれだけバカなクソガキなんだろうと呆れるが当時のボクにとっては重大なことだったのだろう。

けど、所詮は小さい子供の小さい意地、

大好きだったお姉さんに謝りたい気持ちは日に日に強くなって

3日後、遂にお姉さんの家に足を運んだ。

が、お姉さんはいなかった




ボクがお姉さんの家に謝りに行く前日に、

彼女は父親とアメリカへ飛び立ったのだ。


今でもボクは考えてしまう。

あの時、もしすぐに謝っていたら初恋は飛んでいかなかったのだろうか、とか、

もしかしてボクが謝らなかったから怒って飛んでいってしまったのだろうか、とか

じっとりと初恋はボクの思考を未だに蝕んでいる。












「ニート達〜スイカ貰ったわよ〜!降りてきなさ〜い!」

母さんの声でぱっと現実に引き戻される。

ばたばたと兄弟達が下へと降りていく音が床に響いてボクの耳に届いていた。

・・面倒臭い。

いつもなら他の兄弟に取られる前に先に降りていこうとするのに・・。

今日は気分が乗らなかった。

そのまましばらくぼーっとしていると

母さんに言われたのか、すごい勢いで階段を駆け上がって来た十四松兄さんがボクの視界にギュンっと割り込んできて叫ぶ。

「トド松ーー!!春だよ!!!」


は?


「十四松兄さん今は夏だよ・・。」

今は夏だ。

じりじりととんでもない暑さが続いている八月上旬だ。

この暑い時に春って・・

文句を言おうとしたボクを遮って

「春だよトド松!!!来て来て!!」

「えっ、」

がっちりとボクの腕を掴み走り出す

浮いてる!早すぎて浮いてるよ!!

「うおああああああっっ!!??

十四松兄さっ!!いだだだだっっ!?自分出歩けるからっ!!痛あっ!?!?」


「連れてきたよっっ!!!」

コーナー(階段)を周りゴール(部屋)についた瞬間ぽーんっと十四松兄さんに放り投げられた。



まずい、投げ出される!!!

ぎゅっと目をつぶった瞬間何かに抱えられる感触がした



いつまでたっても衝撃はやって来なかった

恐る恐る目を開けるとボクの目の前には





春がいた。