本丸の日常(期間限定)

七夜月
@7night_moon

5

「先ずは礼儀として名乗って欲しいね。後、住まう土地も報告してくれたら尚良し。」

「人様の家に訪ねる感じで、お伺いをたてるのですね。」

「そういうことだね。」

「…。」

「今も昔も日の本の子なら変わった事はしていないよ。」


“種は残るから。”


審神者ハッとした。

「どうかしたかい?」

「えぇ…あぁ…その…何と説明して良いのか。私自身、よくわからないのですが。」

石切丸は審神者の言葉を待った。

「幼い時の記憶だと思うですけど。何かの拍子に映像や音が自分の中に現れることがあるので」

「幼い時の記憶の思い出と言う奴かな」

「そうだと思います。」

「自信無さげだね。」

審神者はしばらく考えるしぐさをした後。

「此れから申し上げることはどうか石切丸様のお心にだけに止めおいて下さい。」

審神者は小さな声で石切丸に断りを告げた。

石切丸は並々ならぬ審神者の雰囲気に頷いた。

「私には、一定年齢より以前の記憶が無いです。」

「無いと言うのは?」

「骨喰様や鯰尾様の様な感じでしょうか。」

石切丸は目を見開いて

「何も覚えていないのかい?」

「親、兄弟…自分のことも把握していないと言う意味ではある意味骨喰様や鯰尾様より質が悪いかと。」

「原因となったきっかけは…。」

「その時の私自身が体験した記憶は失われて、何とも言い難いのですが災害が原因だと第三者が教えてくれました。」

石切丸は審神者の頭巾を被った頭をぽんぽんと軽く叩いて

「そうか。」

と息のような小さな声を石切丸が呟いた。

「だから、自分でも正確に把握しきれてない自分の事を尋ねられて答えるのは嘘をついてる気がして」

石切丸は審神者が自分の事を話したがら無い理由と、黒衣の理由を納得した。刀の中には好奇心旺盛な太刀も入れば、自分の主を誇り思いたいがために色々聞いてくる太刀もいる。

幸いな事に、一般的な審神者の支流は面を隠す事になっていることがら、刀太刀はそれが普通だと思い込んでいる。

「主は悪意を持っている訳では無いのだから。そこは深く考え無くても良いことだと思う。」

「・・・・・。」

「主は難しく考えすぎると思うよ。」

石切丸は背を伸ばして体をほぐす。

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