昼下がりに君と出掛けよう

乃の✼̥୭*ˈ
@tomtom_0725

この小説は夢小説 (名前変換ができる小説) です。
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「あれ?芥川先生どこかへ出掛けるんですか?」




いつもとは違う身なりの芥川先生を見かけて声を掛ける。





「ああ、まあね。…どうだろうか、漱石さんの見立てなんだけど似合っているかい?」

「はい。とってもお似合いですよ!」





いつもは大人っぽくて余裕のある彼が、安心したように微笑むから思わずどきりとした。…気の所為気の所為。




「なんか今日はいい香りもしますね」

「香水をつけて見たんだ」

「へぇ!…あ、もしかしてデートですか?」

「いや、デートではないけど、大切な人に会いに行くんだ」





デートじゃないと言われて安心したのも束の間、大切な人って誰だろう?

何だろうこのもやもやとした感情は…。





「へぇ…楽しんで来てくださいね」





喉がカラカラだ。

変だ。これじゃあ、だって私…

彼に行って欲しくないみたい…。





「うん。あ、因みに君くんの母上は何が好きだい?」

「…は?私の母は甘いものが好きですけど、どうしてですか?」

「いやぁ、手土産は何がいいか思い付かなくてね、そうか甘い物か。よし」





じゃあ行って来るよ、と踵を返そうとした芥川さんの服を慌てて掴む。






「おっと…!どうしたんだい?」

「え、あの、せ、先生は大切な人に会いに行くんですよね?」

「そうだけど…?」

「そ、それってつまり、どなたでしょうか?」





何故だろう嫌な予感しかしない。

冷や汗が止まらない私に対して彼はいつものように涼しい笑みを浮かべて言い放つ。






「どなたって、勿論君のお母さんじゃないか」

「は、はぁああああああ!?!?」

「いやぁ、ほら、大事な娘さんを頂くわけだしきちんと挨拶をしないといけないからね」

「〝ね〟じゃないですよ!!絶対行かせませんからね!!第一私別に芥川さんとそんな関係じゃないですし!!」





ぱちくりと目を瞬かせる芥川さん。いやいやいや!そんな意味わかりませんみたいな顔しないで下さい!!私の方が意味分からんわ!!!

先ほどとは違う意味で行かせたくない気持ちが湧く。





「そんなに君が言うなら…先に既成事実を作っておこうか?」

「っ!!結構です!!」




ぞわりとした耳元を抑えながら、芥川さんと距離をとる。

なんちゅーことを囁くんだこの人は!!


くすくすと、人の反応を楽しんでる芥川先生…本当に悪趣味な人だ。






「じゃあ私はそろそろ行くよ」

「いや、行かせませんってば!だ、大体私の実家知らないでしょう!?」





そう。芥川先生どころか図書館の皆きっと知らないはず。だからきっとわざとだ…

なんて、思っていたのに…





「さぁ?それはどうだろう」

「!?ちょ、そのメモなんですか!?」

「住所だよ。場所は東京都足立区東あ、」「うわああああ!?ちょ、しぃーー!!」





慌てて芥川さんの口を抑える。

待って本当に実家の住所を知ってるのこの人!?

てゆうか誰が教えた!?!




「あ、あの…誰から聞いたんですか…」

「館長だよ」

「館長ぉお〜〜!!!」





もう二度館長とは口利かない!!

よりによって芥川さんに知られるなんて!!

…どうしよう、阻止しなきゃ!絶対に親に挨拶なんてさせない!!



必死に思考を巡らせる。その間も芥川さんに逃げられないように腕を回して捕まえておく。



…くっ、仕方ない!背に腹は変えられない!





「私も一緒に行きます!」

「…何か企みでも?」

「な、ないですよう!丁度芥川さんとお出掛けしたいなーって考えてた所なんです!」

「へぇ、それは嬉しいね」





勿論、いいよ。と同行を許可した芥川さんに直ぐに用意をすると伝えて自室に戻る。



悩んだ末に彼と一緒に行動して、私の実家に行かせないようにする事にした。この暑い中出掛けるなんて普段ならば嫌だけど、仕方ない…

これも自分の人生を守るため!!



とにかく早く用意しなきゃ、芥川さんに逃げられるかもしれない!!








その頃、芥川は食堂でのんびり君を待っていた。





「おや、結局出掛けなかったのかい?」

「漱石さん。いえ、今彼女の支度待ちなんです」

「お嬢さんを誘えたのか。それは良かったじゃないか!」

「ええ、まあ」





そう言って芥川は、温くなった紅茶を口に含む。





「(面白い位に、策に嵌ってくれるよ)」




(少女は踊る。彼の掌の上で)





20170807.


押しても駄目だから騙してみた。



長らく芥川さんを太宰さんと間違えてました。スミマセン。