ルプイチ小話 まとめ

沙羅/和葉@喪中&会話文量産中
@aobiyori_sara

ルプイチ 11 夕焼けは藍色の帳を連れてくる 朝焼け編


 夜勤開始の時間になり、ルプスは持ち場である囚人棟へと歩みを進める。

 ふと、橙色の光が視界を掠めるようにして入り込み、足を止めた。

 西の空に視線を向けると、色の濃い橙色に染まっている。

 日は既に沈んだのだろう。

 目を貫く強い光の元は見当たらない。

 東の空に視線を向ければ、藍色の帳にちらほらと、米粒よりも小さな粒が散らばり始めていた。

 息を吐き出せば、白いものが混ざりはじめている。

 落ち葉も散り、夏には見えなかった枝の向こう側から、空の色がよく見えた。

 夕焼けは、彼女の色だ。

 夕焼けは、藍色の帳を連れてくる。

 では、藍色の帳は何を連れて来るのだろう。

 藍色の帳は、橙色を埋め尽くす以外に何が出きるのだろう。

 浮かんだ疑問を、頭を振ることでかき消した。

 止めていた足を再び動かし始める。

 寒風が身を撫でるように抜け、もう直ぐ冬になるのだと教えてくれた。


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