まだ終わらない夏の

前頭葉
@jin_pixiv

終わらない話







見ていた景色も、






聞こえていた声も、






楽しかったあの日も、







全部俺が消した







だって、終わりたくなかったから。








*。.*。.*。.*。.*。.*。.*。.*。.*。.*。.



【まだ終わらない夏の】




 所々、この空間では拍手の音だけ。入場する三年生徒。向かい入れる在校生。今日は我等が白鳥沢学園高等部の卒業式だった。よく聞く音楽。女子の方を見ればもう涙ぐんでる子も居た。式が始まる。 ” もう先輩に会えなくなる ” 時が近づいてくるのが嫌だ。だってまだ話していたかった。そんなのはダメ?許されない?後悔が押し寄せる。 ” もっと素直にしていれば良かった ” 、 ” もっと色々なこと聞いてなおけば良かった ” 。涙は流れない。右を見れば川西が若干涙目で居た。お前もそういう感情はあるのかって関心する。思ったより呑気だなって今更思った。先輩が卒業するってのに。自然と笑みが零れる。卒業証書。


「……た……な…、……したくないよ」


声が聞こえた。空耳?いや違う。思ったよりハッキリと身近で聞こえた。川西の方を見る。何もない。正面をみた。泣き声。啜り泣き。景色が止まっていた。カラースクリーンがモノトーンで染まっていた。一部がカラーだった。


「まだ、まだ卒業したくないよ」