百合「魔女っ子ミミちゃん」本編完結

しおり*創作アカ
@ss0usaku

ミミちゃん成人、そして(完結)

さて、あの日から二年。今日はミミちゃんの20歳の誕生日だ。わたしはこの二年間、特に恋人はできなかったので、予定はすかすかだ。


さて、二年の間にミミちゃんはどんな風に育ったのだろう。メッセージの上では相変わらず「こんにちは👋😃✨」みたいな感じであるが、会うのは二年ぶり。あの居酒屋の兄ちゃんみたいなノリが懐かしい。

なんだかんだ、わたしも約束の日が楽しみなのだった。



待ち合わせ場所に行く。ミミちゃんはきれいなのですぐ目につく。やってきたらすぐに分かるだろう……、と思っていたら、とんでもない美人がこちらに駆け寄ってきた。

ミミちゃんだ。


「こんにちは!」

「こんにちは」

「チカさん、お久しぶりです。会えて嬉しいです」


……どうも雰囲気が違う。美人に磨きがかかっただけでなく、兄ちゃんみたいなノリじゃなくなっている。

それから。なんか、めっちゃ魔女っぽくなっている。美少女ミミちゃんの面影を残しつつ、そうだな、めっちゃ空飛ぶし薬剤調剤してる感が増してる。いい風に言えばハウルの動く城のハウルみたいな。驚嘆に言えば西の魔女みたいな。貫禄。

貫禄がすげえ。


「ミミちゃん、大分雰囲気が変わったね」

「はい、なんかこの方がモテるって言われたので、チカさんにモテたいが一心でしゃべり方とか変えてみました」

「そうなの。しゃべり方以外も色々すごいことになってるけど。まあ立ち話もなんだし、どこかかカフェにでも行きましょうか」


「今日、おみやげを持ってきたので、チカさんのおうちにお訪ねしてもいいですか」

「どうぞ」



さて。貫禄の増したミミちゃんと向かい合う。魔女っぽい威圧感がすごい。二十歳でこの貫禄、この威圧感、この魔女っぽさ。たった二年間で、ミミちゃんは魔女としてとても努力したようだ。


「ミミちゃん、とても魔女っぽくなったね」

「この前、魔女検定で合格したんです。そしたら自動的に魔女っぽさが増す仕組みなので」

「なにその仕組み」


魔女っぽさは検定でゲットできるのか。


「そのうち鼻とか曲がってきて、笑いかたもヒッヒッヒッとかになってくるんですよ」

「なにそれ」


魔女検定すごいな。


「……あの、二十歳になったら、告白させてくださいってお願いしていましたよね。わたしはこれからどんどん魔女としてヒッヒッヒッみたいな感じになっていくんです。それでも、怖がらずに、お付き合い、していただけますか」

「ヒッヒッヒッについては構わないけど」


もともと話し方については変わった子だったし。居酒屋のあざーっす!!のノリから魔女のヒッヒッヒッに変わったところで特に差はない。


「今年で30歳だけど、お付き合い、というものがあまりよくわかっていないの。特に歳の差があるのが、ミミちゃんにとって面白いのかどうか」

「面白いっすよ!」


おっ、でたな兄ちゃん。


「初めて手当てしてもらったときから、すごく憧れてたんです。クールで、でも優しくて丁寧で。メールにも答えてくれるし、わたしの方こそ10歳も下なのに蔑ろにもされずに、本当に優しい人だと思いました。年齢は関係ないんだって、チカさんが教えてくれたんです。魔女だってこともバカにしないし、わたしのしゃべり方も変だったでしょう、でもそれにもおかしいって言わなかったし、だから」


ミミちゃんは泣いた。


「だから、好きなんす。」



「いきなりのことですし、お返事は今はいいです。ただ、お土産を持ってきたので受け取ってもらえますか?二年間の修行で、チカさんにもっとミラクルスーパーハッピーになってほしくて作りました」

「ありがとう」

「ハッピーになってください」


「わたしは、ミミちゃんとハッピーになるつもりでいたけど。いきなりのことって、二年前からの約束でしょ?どんな姿になってたって、気持ちは決まっていたよ」

「えっ……えっ?!それは……えっ!?!あれっすか、あの、あれっすかね!?」


わたしの言葉に、素の言葉遣いでびっくりしてひっくり返るミミちゃん。

相変わらずのオーバーリアクションに少し笑ってしまった。


「運命の出会いかなと思って。魔女さんとあんな出会い方するのも珍しいから」

「う、運命」

「そう。ミミちゃんとの出会いこそがミラクルスーパーハッピーなのかなと」

「そんな」


「ググってみたけど、ミラクルスーパーハッピーを届けるのが魔女の仕事なんでしょ?」

「そうっす……わたしがミラクルスーパーハッピー……ありがとうございます」


「じゃあ、お付き合いしましょうか」

「あざっす、大切にさせてもらいます」

「二年も待ってもらってごめんね」

「チカさんのこと犯罪者にしたくなかったんで、当たり前のことっすよ」


「ほんとにつきあえたんだ、信じられない……」


そう言って呆然とするミミちゃんを横目に、お土産のミラクルスーパーハッピーになれるケーキをきりわける。ミラクルスーパーハッピーな存在であるミミちゃんと、これからももっとミラクルスーパーハイパーどんどこハッピーになれるように。


二人でケーキを分けあって、食べた。