寄せる想い

しおり*創作アカ
@ss0usaku

(2)

わたしの寄生した子供は、14歳。

5歳のときに親に捨てられたらしい。それまでも、ひどい扱いを受けていたようで、あまり人との交流もしてこなかったようだ。消極的なその子。


いつ死んでもいいよ。いままでだって、いつ死ぬか分からないような状況だったし。


そんなことを言う子。


寄生した身としては、摘出されないのはありがたいことだが、その子を取り巻く環境には同情し、わたしが寄生してしまったことで更なる苦痛を与えてしまうことには罪悪感があった。


「摘出手術はうけないのか?普通なら……」

「話し相手ができて嬉しいくらいにしか思ってないし。死は怖くないから。」


さばさばしているように見えるが、本当は不安なのではないか。そう察せるような、落ち込んだトーンだった。


「話し相手になれたのは嬉しいけど」


わたしの方を捨ててくれたらいいのに。


「あんたの方こそ、生きたいと思わないの」

「……わたしたちは害虫だ」

「害虫だろうがなんだろうが、生きたいと思えば生きればいい。僕のいらない体が役に立つなら、どうぞ使ってくれ」

「いらない体なんて、ない」


少年はふと笑った。


「変わった寄生虫だな」


「一人の僕に、話し相手ができるのは嬉しい。寿命が縮んでもいい。無駄に長く孤独に過ごすくらいなら、話し相手がいる方がいいよ。よかったら、寄生したままでいてくれ」


……本当に、変わった子だと思った。だけど、本人が望むことだ、それに乗る手はない。


「じゃあ、お言葉に甘えて」

「ああ、これから10年間、よろしく」



そんなわけで、寄生生活は始まった。不思議な関係で。