BL「王子様はアウトローがお好き」完結

しおり*創作アカ
@ss0usaku

お題「いつもと違う服装」

今日はルーカスとデートの日だ。町中で買い物をする約束なのだが、わたしが王族であるとばれると、周りに気を使わせたり、逆にこちらが気を使わなくてはならなくなったり、ややこしいので、できるだけ王族だとばれずに今日は過ごしたかった。

どうしたらいいか、少し悩む。


……変装をしてみようか。

いっそ思いきって。




「やあルーカス、待たせてごめん」

「ああアレク……えっどちら様?」

「アレクだよ。ごめん、事前に連絡しておけばよかったね。身バレ予防に女装してみた」

「びっくりしたよ!本当にアレクなのか?」

「うん」


とても驚かれた。そりゃそうか、わたしだっていきなりルーカスが女装して来たら驚く。


「本当に驚かせてごめん。ところで、この格好変じゃないかな。浮いてない?」

「大丈夫だが……う、美しい、という理由では浮いているかもしれない」


顔を赤くしてこちらを見るルーカス。彼の言葉を聞いて、周りを見てみると、確かにこちらをみている人たちは少なくない。


「美人なのか。普段はそんなに言われたことはないけどなあ。女装パワーというやつだろうか」

「いつものアレクもび、美人だ。おれはとてもすきだよ」


さらに赤くなるルーカス。とても照れているようだ。

面白くなってふふふと笑ってしまう。


「笑わないでくれ……」

「いや、褒めてもらって嬉しくなってね。47歳にもなって美人だと言われる日が来るとは思ってもいなかったし」


「アレクはずっときれいだよ。若いときも、今も」


真剣に伝えてくれる彼が愛しい。


「ありがとう。誰よりも君にそう言ってもらえるのが嬉しいよ。さあ、でかけよう」

「ああ。おすすめのお店があるから、そこで昼飯にしよう」



彼と二人で町を歩く。わたしがどんな格好をしていても、ルーカスはわたしへの接し方は変えない。とても嬉しいことだ。


目立たずにデート、とはいかなかったが、王族であることを気にせず開放的に過ごせたし、なにより彼のことを改めて好きになれた一日だった。たまには女装もいいものだな。